Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
ヘラサギ 箆鷺
Herasagi
Platalea leucorodia
Eurasian Spoonbill
ヘラサギ ペリカン目トキ科 情報不足 DD
ときおりポツンと日本の沼にやってくる
小さな目がかわいい白い鳥
ときおりポツンと日本の沼にやってくる
小さな目がかわいい白い鳥
ヘラサギについて
ヘラサギはトキ科の鳥で、先端がへら状に広がったクチバシを持つことからその名が付けられました。サギ類のように尖ったクチバシではないので、獲物を突き刺したりして捕獲することはできず、小さめの魚や両生類、甲殻類を掬い取るようにして餌を捕っています。そのためか干潟や浅瀬の沼の場所を好むようで、私が過去見た記録も皆そのような環境の場所となっています。
近縁のクロツラヘラサギは環境省の絶滅危惧種IB EN 指定であるのに対して、こちらヘラサギは情報不足 DD の評価となっています。ヘラサギはこれまで私が見たいずれもが単体の飛来でしたし、国内の特定地域に継続して群れで訪れることがあまり見られないのが、DD と評価される一因のようです。またクロツラヘラサギは世界的にも数千羽しか残っておらず、国内と同じ EN 指定であるのに対して、ヘラサギは世界的にまだ万単位の生息数があって、近年も個体減少が見られないことから LC 指定(軽度懸念)です。このこともレッドリストの保護指定にまでは至らない理由かと思います。
「宮城のヘラサギ 1,2」 クリックで拡大します。


宮城県
1024x682 px
2018/12/08-2021/12/11
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
クロツラヘラサギとの違いは、まず目がどこにあるかわかるかどうかでしょうか。クロツラヘラサギはくちばしから額や目元まで黒色で目がどこにあるのかわかりにくいですが、ヘラサギは目が独立して現れているので、これが最大の見分け点となります。またヘラサギはクチバシ先端部が黄色くなるので、そこでもわかるかと思います。
ちなみに1枚目の絵の周りの大きな水鳥はヒシクイです。
2枚目は朝の霧が濃い中で撮ったものなので、霞んで見えますがご容赦を。のどの一部で地肌が見えていますが、これは病気で毛が抜けたとかではなくてもともとの姿です。
「鳥取のヘラサギ」 クリックで拡大します。

鳥取県米子市
1024x682 px
2014/05/03
Nikon D200 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
初めてヘラサギを観察できた少々古い鳥取での記録です。距離はおそらく300mくらいあったのではないかと思います。APS機に600mmのレンズで撮ったものを更に拡大トリミングしてあります。GWの頃ですから夏羽に近いのか、クチバシ先端の黄色部が広くなっているのがわかります。
観察データ
場所と回数:鳥取県米子市 1、宮城県北部 2。計3回。
観察場所は皆が沼地です。国内への飛来数は非常に少ないですが、年をまたいで同じ時期、同じ場所で見ていたりするので、場所や時期を固定した飛来があるのかもしれません。
観察月と回数:
1月 0
2月 0
3月 0
4月 0
5月 1 〇
6月 0
7月 0
8月 0
9月 0
10月 0
11月 0
12月 2 〇〇
計 3回
冬鳥もしくは迷鳥です。カテゴリーも DD 情報不足なのでなんとも言えません。毎年の個体数は一桁程度しかないらしく、そういう意味では「非常に稀な存在で出会いにも運が必要な鳥」と言えますが、身体が大きく特徴的で、且つ見渡しの良い水辺にいる鳥なため、小鳥の迷鳥よりはずっと観察チャンスが大きい鳥だと感じます。
(トップ画像 ヘラサギ 2018/12/08 D500 500mm/F4 + 1.4x 宮城県)
初出:2018/12/17
全面改訂:2025/10/11













