アビ目アビ科 阿比科
Abi-ka
Gavia -
- Loon

アビ目アビ科 LC
 冬に日本の沿岸に飛来してくる
 潜水が得意な海鳥

   

アビ科の鳥たち


 アビ科の鳥は皆冬鳥で、海の上で暮らす潜水型の鳥たちです。サイズ的には普通のカモより少し大きめくらいで、カワアイサみたいにしゅっとした体形をしています。私は今(2022年夏)のところ3種を観察・記録していますが、いずれも観察体験がわずかで、一種で一ページを作るには記録が乏しいため、3種で一ページにさせていただくこととしました。




「アビ」 クリックで拡大します。

アビ

千葉県九十九里浜
1280×853 px
2023/01/21
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 生涯二度目のアビの写真です。今回は前回より少しだけ大きく撮れましたが、まだまだ証拠写真の域を越えません。きっと多少荒れた海の方が陸に近づいてくれるのでしょうね。私、根がお気楽なため、毎回穏やかな日を選んで出かけるのがだめなのだと思われます。。でもその分、落ち着いてじっくり見られたのでよしとしましょう。



「オオハム」 クリックで拡大します。

オオハム

千葉県船橋市
1280×853 px
2020/01/11
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 湾内のカモやカイツブリを観察していたら、見慣れぬ鳥を見つけました。そこそこの距離で観察できたのでラッキーでした。



「シロエリオオハム」 クリックで拡大します。

シロエリオオハム

津軽海峡海上(青森寄り)
1280×853 px
2022/05/06
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 函館から大間に向かうフェリーからの観察・撮影で見つけました。フェリーからの観察は陸からの観察と違って360°海しか見えないため、時間が経つにつれ、目(観察力)が麻痺していきます。同じように見えつつも刻々と入れ替わる鳥の影が延々続きます。経験が少ないので、毎度ライブで同定するにはスキルが届かない私ですが、見たことのない海鳥たちがいきなり現れるあのドキドキ感は、一度体験すると忘れられず、虜になってしまいます。




「シロエリオオハム」 クリックで拡大します。

シロエリオオハム

千葉県九十九里浜
1280×853 px
2024/03/16
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 大好きな九十九里浜で海ガモや海鳥を探して観察していたとき、あまり見慣れていないような羽ばたきをする大きくてスマートな鳥が前方に飛ぶのを見つけました。「あまり見慣れていないような羽ばたき」というのは、例えばウのようなシルエットだけれど、ウのようなバタバタ感がないといいますか、もちろんカモみたいにストロークで稼ぐ飛び方でもないという印象です。当日は北風が非常に強くて、この絵の場合は鳥にとって向かい風でした。その割には羽ばたきが滑らかでしたので、「ウでもカモでもない鳥=何?」となったわけです。一瞬、頭に浮かんだのはこの海でよく見かけるアビでした。
 家で撮れた写真を見直してみると、脇と翼の間の黒い帯が広いこと、下尾筒あたりのベントストラップがはっきりと見えること、クチバシが真っすぐでやや下反りに見えること、などの特徴からシロエリオオハムだと判断しました。

 私は九十九里浜ではかれこれ30回ほど野鳥観察をしています。しかしこれまで波間に浮かぶアビは何度も見ているものの、オオハムもシロエリオオハムも、また彼らが飛んでいる姿も一度も見たことがありませんでした。なので今回のシロエリオオハムに関しては「出会いはいきなり現れるものなんだな」ととても驚かされました。北に向かっての飛行だったので、繁殖地に戻る途中だったのかもしれませんね。



観察データ

場所と回数:静岡市 2、千葉県九十九里浜 6、東京湾、津軽海峡(大間側)1、各1、計10回。アビ 5回、オオハム 1回、シロエリオオハム 4回。河口近くの川にもいることがあるということですが、私は川や陸に上がった姿は見たことがありません。ちなみに、私が見るのはいつも単体かせいぜい2羽程度でポツンと浮いていたり、現れたりします。冬のアビなら身体が大きく白っぽいので、割と遠くからでもよく目立ち、見つけやすいと思います。

観察月と回数:
1月3 〇〇〇
2月1 〇
3月2 〇〇
4月3 〇〇〇
5月1 〇
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0

計10回

冬鳥です。春に北に移動するので北海道では春を過ぎても見られるようです。海が荒れたあとは内湾に入ることがあるようですが、陸からの観察では基本双眼鏡などで遠くの米粒を探す感じになります。冬から春に沿岸を通るフェリーに乗るなどすると、観察の機会が増えるかもしれません。




 オオハムはラッキーなことに穏やかな内湾で結構近場から観察できました。ところが「これはまだまだ長く観察できそう」とか期待していたそのとき、目の前でふと潜ったオオハムは、それからいくら待っても目の届く範囲に浮上してくれませんでした。もの凄く潜水力が強いのか?それともサメにでも食われたのか? 今もって謎です。



(トップ画像 オオハム 2020/01/11 千葉県船橋市にて撮影 D500 500mm/f4.0)

 初出:2022/07/19
 改定:2023/11/26 アビの絵を差し替え
 改定:2024/03/17 シロエリオオハムの絵を追加
 改定:2024/07/08 観察記録を更新