Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
イエスズメ 家雀
Iesuzume
Passer domesticus
House Sparrow
イエスズメ スズメ目スズメ科
白いほっぺをした
世界で最もポピュラーなスズメ
白いほっぺをした
世界で最もポピュラーなスズメ
ハワイオアフ島での観察
イエスズメとの出会い、動画の紹介
1989年の2月、私たち夫婦は新婚旅行でオアフ島に降り立ちました。このときはカメラ好きな親父にCANONの一眼レフA1を借りて、標準ズームと望遠ズームの2本を持って新婚旅行を記録しています。おかげで太陽が燦燦と降り注ぐ真昼のハワイも、ワイキキの夜景も見た目に近い形で絵として残すことができました。私がカメラに気を惹かれたきっかけは、このときの経験があったからだな、と今にして思います。
オアフの街を散策していると、日本と同じでスズメとハトがまず目に入ってきます。ただしもっともポピュラーなスズメはスズメでなくてイエスズメであり、ハトはドバトよりチョウショウバトが多く見られます。そのイエスズメは、日本のスズメと違って頬っぺたに黒班がありません。それだけなら日本の主に北国で見られるニュウナイスズメと同じです。ニュウナイスズメも頬っぺたは白っぽくて、黒班はありませんから。ではニュウナイスズメとイエスズメの違いはどこにあるかというと、まずニュウナイスズメはより野生的でベタな街中ではなかなか見られません。一方イエスズメは南国の屋台が溢れた街中で普通に見られますし、また♂の頭がグレイで、喉が黒くなっているためイエスズメらしい明らかな特徴が見られます。ちなみにこの特徴は♂くんのみのもので、♀さんは全体的に淡い茶色です。スズメは雌雄同色、ニュウナイスズメは♂くんの方が濃い色をしているものの、茶色の濃い薄いレベルの雌雄差で、決定的な見分けポイントではありません。このあたりはイエスズメとは違うポイントです。
世界的に見るとスズメは日本から欧州まで欧州大陸の広い範囲にいます。ニュウナイスズメは日本から中国大陸までのアジア地域でしか見られません。対してイエスズメは欧州、アフリカからアメリカ大陸、果ては豪州までもっとも広い範囲で見られるスズメです。そんなイエスズメですが、残念ながら日本では迷い鳥としてしか記録がありません。
私がみたイエスズメの記録はハワイのオアフ島とタイのパトゥムターニー県の二か所です。ちなみにタイのバンコクでは日本と同じスズメしか見ていません。バンコクではスズメとチョウショウバト。パトゥムターニー県ではイエスズメとベニバト。タイの中では大して距離が離れていないのに、スズメとイエスズメで微妙な棲み分けがありました。ちなみにどっちも超暑かった。。。「どこに違いがあるねん」と突っ込む私。。鳥たちのテリトリーってまだまだ不思議一杯です。
左「イエスズメの動画 ワイキキ・カピオラニ公園、真珠湾アラバマ記念館周辺にて」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
イエスズメ ♂、♀
2019年4月、30年ぶりにオアフに行くことができました。ホノルルやワイキキでイエスズメとも30年ぶりの出会いが叶いました。しかしよく考えてみると、この30年の間、私は台湾、上海、ミュンヘン、タイなどイエスズメの生息範囲に都合10回ほど出かけています。どこの街にいてもおかしくないイエスズメなのに、いくら調べてみてもタイのパトゥムターニー県以外、写真の記録もテキストの記録もありませんでした。これらに関しては実際のところ、「まーたスズメだし」と無視して見逃していた可能性が高いと思います。あーもったいない。と嘆いても時は遅しですね。それはさておき、オアフのスズメは皆イエスズメです。オアフの街中でも見られますし、ゆっくり見るなら道から少し外れた公園でしっかり観察できると思います。私はワイキキから少し東側の動物園やカピオラニ公園の周囲で彼らをじっくり観察できました。群は10羽程度の小群が多かったかなと思います。鳴き声は「ジュッジュ」と日本のスズメとさほど変わりなかったように思います。
静止画を置いておきます。頭が灰色なのが♂くん。薄茶色で眉に白筋があるのが♀さんです。
左「イエスズメ ♂」「イエスズメ ♀」のサムネイルをクリックしてご覧下さい。
観察データ
場所と回数:オアフ島5、タイのパトゥムターニー県1、都合6回。2019年オアフでは4泊の毎日違う場所で見ているので、全てをカウントしています。
観察月と回数:
1月0
2月1 〇
3月0
4月5 〇〇〇〇
5月0
6月0
7月1 〇
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
都合6回
私は全て南国への旅や出張で見かけていますが、世界的には必ずしも南国の鳥というわけではなさそうです。緯度の高い欧州でも普通に見られるのでしょうね。
(トップ絵 イエスズメ♂ 1989年2月ホノルル動物園にて:CanonA1 80-200ズーム ネガ)
ハワイに行くたび見られるスズメなので、私としてはイエスズメ=ハワイのスズメ的な印象があります。頭の灰色がちょっとおしゃれな帽子の感じで、外国のハイカラなスズメという印象ですね。スズメの後ろの孔雀の羽は動物園内を闊歩していた孔雀さんのものです。
初出:2019/09/10