Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
オオジュリン 大寿林
Ohjurin
Emberiza schoeniclus
Reed bunting
オオジュリン スズメ目ホオジロ科
冬の姿はほぼスズメ
葦原が大好きな小鳥
冬の姿はほぼスズメ
葦原が大好きな小鳥
オオジュリンの紹介
オオジュリンはホオジロの仲間で、本州以南では冬鳥となります。棲み処は葦原で、ある程度の量の葦さえ生えていれば、どこででも見られます。なぜ葦が好きかというと、葦の茎の中に潜んでいる虫の幼虫を餌にしているからです。
姿サイズはホオジロの ♀ ににていて、野鳥に詳しい方でない限り見分けは難しいかもしれません。というか、全身茶色の小鳥なので、鳥に詳しくない方から見るとスズメと変わらないかもしれません。
春になると北上して本州北部以北、主に北海道などに繁殖のため移動します。そのころの ♂ は頭が黒頭巾の姿になり、きれいなさえずりを聞かせてくれるそうです。
「オオジュリン ♂ 冬羽 その1」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2023/02/25
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
冬羽の♂です。ホオジロと違って胸が白いのが見分けのポイントでしょうか。
「オオジュリン ♂ 冬羽 その2」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2023/01/08
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
冬羽の♂、2枚目は正面からの絵です。見た目 ♀ っぽくも見えますが、他の絵で見ると明らかにのどが黒いのでおそらく ♂ だと思われます。尾羽が開くと両端の白がとても目立ちます。
「茨城のオオジュリン ♂ 夏羽」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2022/03/20
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
3月も終わりの頃、少し気の早い?夏羽の♂です。
オオジュリンに限らず、カシラダカなどもこの時期になると、黒頭巾の個体がたまに現れます。それを思うと、いつも見慣れた冬の小鳥でも違う楽しみが出てきて、観察も気が抜けません。
「北海道のオオジュリン ♂ 夏羽」 クリックで拡大します。
北海道礼文町
1024×682 px
2024/06/29
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
ずっと長く憧れの地だった夏の道北に行くことができました。今回は稚内と豊富町で2泊しましたが、せっかくなので中日は最北の島、礼文島にも渡り、島内の湿原で鳥見をしてきました。ここではコヨシキリを探す中で、夏羽のオオジュリンが草花の上でさえずる姿を見ることができました。
今から20年前2004年の冬のある日。当時住んでいた福山市の河原で、スズメらしき小鳥を見つけました。草藪に隠れていたのでレンズで覗いてみたところ、どこか違和感を感じて「スズメじゃないかも」と気づきます。幸い記録にも残すことができたので、家に戻って図鑑を端からめくり、この小鳥はオオジュリンという名であったと知りました。
図鑑では「オオジュリンの ♂ は夏には北海道へ移動し、頭部も黒くなり良い声でさえずる」と書かれていて、頭が黒頭巾を被ったような夏羽 ♂ の写真も掲載されています。「へぇ、まんまスズメみたいなこの茶色い鳥が、夏の北海道だと全然違う姿になるんだ。でも、福山だといつまで経っても茶色い姿しか見られないのね。。」と驚かされると同時に、すごく残念な気持ちになったことを今もはっきり覚えています。
思えば本格的に鳥見を初めたのも丁度その頃でした。なので自分の鳥見歴の中でも、今回の夏ジュリンとの出会いは、長年の肩の荷が下りたといいますか、一つの区切りになったような気がしています。また、道北では初見の鳥を含めて、他にもたくさんの希少な鳥達と出会うことができたのに、横浜に戻って興奮が冷めた今、旅を振り返れば、いつも見慣れたはずのオオジュリンとの出会いのシーンが一番強い印象として残っていて、ちょっと不思議な感覚です。きっと私自身がそれだけ歳をとったということなのでしょうね。
「オオジュリン ♀ 冬羽」 クリックで拡大します。
千葉県習志野市
1024×682 px
2021/03/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm
f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
およそオオジュリンを見るのはこの絵のような葦の中です。
この日のオオジュリンは公園横の葦にいたので、かなり近づいて観察することができました。
「オオジュリン ♀ 冬羽 2」 クリックで拡大します。
茨城県東茨城郡
1024×682 px
2024/02/10
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
猛禽のねぐら入りを観察に行った日、陽が落ちかけた目の前の葦原でオオジュリンが忙しくしていました。赤い陽が射すとオオジュリンの茶色は葦原に溶け込むように見えます。そうやって猛禽たちの眼に見つからないようになっているのでしょうか。
「オオジュリン 飛翔」 クリックで拡大します。
千葉県柏市
1024×682 px
2023/02/25
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
水辺の葦の間を飛ぶオオジュリンです。
ぱっと見スズメみたいですが、オオジュリンの♀ですね。尾羽の両端の白色がホオジロ系の小鳥の特徴です。
観察データ
場所と回数:福山市 1、笠岡市 4、米子市 1、千葉県 9、茨城県 10、仙台市 1、北海道礼文町 1、計27回。中国地方から東北まで、葦が生い茂る水辺の環境で見つけています。冬の芦原ではとてもポピュラーな小鳥です。北海道は繁殖地で湿原の草花の上で見られます。
観察月と回数:
1月9 〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2月8 〇〇〇〇〇〇〇〇
3月7 〇〇〇〇〇〇〇
4月0
5月0
6月1 〇
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月2 〇〇
計27回
本州以南では普通にみられる冬鳥です。時期的には12月18日~3月27日までの間で見ているので、少し遅めに南下して、帰りも春ギリギリに戻っていく印象です。北海道は繁殖地で夏鳥です。
(トップ画像 オオジュリン♂ D7100 150-600mm/F5.6-6.3 2015/01/31 笠岡干拓周辺撮影)
初出:2015/03/01
改訂:2016/03/22 ♀画像の差し替え
改訂:2017/07/23 文章の見直し
改訂:2019/03/20 飛翔絵の追加、観察データの追加
改訂:2021/03/06 ♀画像の差し替え、観察データの改定
改訂:2021/08/01 ホオジロ科へのリンクを追加
改訂:2022/03/27 ♂の夏羽画像を追加
改訂:2023/03/20 全面作り直し
改訂:2023/03/27 飛翔絵を差し替え
改訂:2024/02/12 ♀画像の追加
改訂:2024/07/05 生殖羽の♂画像を追加