Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
ゴジュウカラ 五十雀
Gojukara
Sitta europaea
Eurasian nuthatch
ゴジュウカラ スズメ目ゴジュウカラ科
高い山でフィーフィーと鳴く
ちょっと寸胴な蒼い小鳥
高い山でフィーフィーと鳴く
ちょっと寸胴な蒼い小鳥
ゴジュウカラについて
ゴジュウカラは漢字で五十雀と書きます。名前だけ見るとシジュウカラの近縁かと思いがちですが、シジュウカラ=四十雀とは科も違う、系統も近くない別種です。
冬になるとゴジュウカラはよくカラ類と混群をなして森を移動しています。望遠鏡がなかった昔の時代では、「この辺の鳥たちは姿・サイズを見ても、まあどれも似た様なものだろう」のとして捉えられていました(大らかな時代でしたから)。ゴジュウカラの名前の由縁に関しては、細かくは所説色々あるものの、いずれにしても「よくシジュウカラ達と一緒にいるので、適当に彼らと似た名前にでもしておこう」的な軽い乗りで付けられた名前、というのが定説になっています。
ゴジュウカラは本州では基本的に亜高山帯で見られます。したがって関東以西では、標高のない平地の公園で見ることはまずありません。鳴き声については、春になると「フィー!フィー!」ととても良く響く大きな声が山に響きますので、これを元に探すのが見つけやすいと思います。
「栃木のゴジュウカラ (亜種 Sitta e amurensis)」 クリックで拡大します。

栃木県秩父郡
1024x682 px
2020/03/07
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
標高1,000mあたりの山で撮ったゴジュウカラです。太い鉤爪を持っていて、足指の力もいかにも強そうです。
ゴジュウカラは雌雄ほぼ同色で、冬も夏も姿は変わりません。
「冬のゴジュウカラ」 クリックで拡大します。

山梨県甲州市
2019/11/30
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
こちらは山梨のゴジュウカラ。標高はやはり高めで1,300mくらいの場所です。ぎりぎり11月末の記録ですが、朝山を歩くと前日降った雪が残っていて、小鳥たちも餌を探すのに一生懸命のようでした。
「春のゴジュウカラ」 クリックで拡大します。

山梨県甲州市
2019/09/29
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
緑の苔に覆われた太い木を、餌を探しながら登っていきます。脇から覗くオレンジ色のワンポイントがおしゃれです。
「駆け登るゴジュウカラ」 クリックで拡大します。

山梨県甲州市
2019/09/29
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
一つ上と同じ日同じ場所で撮った別個体です。SS1/100で撮っているので、素早い動きのゴジュウカラは残像のようになっています。木の幹に張り付いたように駆け上がるゴジュウカラの雰囲気が分かりますでしょうか。
同じく木登りが得意なキツツキやキバシリは中央尾羽をストックのように幹に突き刺し、身体を支えながら波状的な動きで登ります。しかしゴジュウカラは尾羽など使わずに、足指の力だけで木を登ったり降りたりすることができるのです。これは他の鳥にはないゴジュウカラだけの特技です。
「亜種シロハラゴジュウカラ (亜種 Sitta e asiatica)」 クリックで拡大します。

北海道苫小牧市
2022/05/05
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
亜種シロハラゴジュウカラは北海道にいる亜種となります。特に脇の下のオレンジ色部分が小さく、ほとんど目立ちません。より白っぽいのが名前の由来だと思います。
ゴジュウカラはくちばしから尾羽まで背筋をピンと伸ばした、少し反り気味のポーズをよく見せてくれます。このポーズ、どこの図鑑にも必ず載っていることから、もはや本種のアイコン的な姿になっています。ただこのポーズを撮ろうと思っても、ゴジュウカラは動きが素早くて、あまり記録に残せていません。「決めのポーズ」とは言っても、じっとして待っていてくれるわけではないのです。(当たり前か)
いつかもっときれいな「一直線ポーズ」を撮りたいものです。頑張ろう。
「逆さ向きのシロハラゴジュウカラ」 クリックで拡大します。

北海道苫小牧市
2022/05/05
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
先に書いたとおりゴジュウカラは日本の鳥では唯一、飛ばずに木の幹を駆け降りることができる種です。この絵は決して写真を180°逆さにしたわけではありません。考えてみれば、足指の力だけで木の幹を垂直に降りていくって凄い能力ですね。
観察データ
場所と回数:静岡県 1、長野県 5、山梨県 4、埼玉県 1、栃木県 1、北海道 4、計16回。本州では深山で。北海道では平地で見られます。本州関東以西だと基本的には1,000m以上の亜高山帯で見ています。周囲を高い山に囲まれた谷地であれば、低地でも見たことがあります。「夏でも涼しめの深山にいることが多い」と言ったところでしょうか。
観察月と回数:
1月 1 〇
2月 2 〇〇
3月 1 〇
4月 2 〇〇
5月 5 〇〇〇〇〇
6月 0
7月 1 〇
8月 0
9月 3 〇〇〇
10月 0
11月 1 〇
12月 0
計16回
留鳥です。
(トップ画像 シロハラゴジュウカラ 2022/05/05 D500 500mm/F4 苫小牧市)
初出:2018/06/10
改訂:2019/05/06 観察データ、静止画の追加、動画に鳴き声の場面を追加
改訂:2020/1/1 観察データ、静止画の差し替え
改訂:2021/4/15 文の見直し、観察データの更新
改訂:2022/5/10 静止画の差し替え(亜種シロハラゴジュウカラ)、観察データの更新
改訂:2025/10/03 全面改訂






