Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
キバシリ 木走
Kibashiri
Certhia familiaris
Treecreeper
キバシリ スズメ目キバシリ科
木の幹をはいずり回る
クチバシが細く曲がった小鳥
木の幹をはいずり回る
クチバシが細く曲がった小鳥
キバシリについて
キバシリは木の幹を走り回る茶色い小鳥です。姿や動き的にはコゲラっぽくてキツツキの仲間かと思いがちですが、キツツキ科に属する鳥ではありませんし、そもそもキツツキのようなドラミングも行いません。日本の小鳥では珍しく、ハチドリのように細長くて曲がったクチバシしており、これを木の皮の間に差し込んで、中に潜む虫を捕ってエサにするのが基本スタイルのようです。
私は方々でいろいろな鳥見をするようになって10年以上経ちますが、キバシリを記録できたのは過去4度しかありません。本州では基本的に亜高山以上の涼しい場所にしかいませんし、前述のようにドラミングもせず、また鳴き声も聴いたことがないため、まず見つけるきっかけがありません。しかも姿が小さく、木の幹の保護色のような色ですから、観察難易度がかなり高めの小鳥だと思います。
「亜種キタキバシリ」 クリックで拡大します。
北海道苫小牧市
1024×682 px
2022/05/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
今から20年前の2003年、友人を訪ねて北海道の道央へ行ったときのことです。BBQで訪れた然別湖湖畔で木の幹に張り付くキツツキっぽい小鳥を見つけました。一応写真には撮ってみたものの、素早い動きなためにぶれぶれで、正体は定かでありません。ただなんとなくキツツキでないことはわかったので、おそらくキバシリという鳥だったのだろうと思っていました。
2003年頃のデジタルカメラ事情を思い出すと、普及版デジタル一眼レフのNikon D100が丁度出て間もない頃です。当時はデジ一の黎明期だったので、今のような手振れ補正も高感度耐性も何もありませんでした。それからおよそ20年経った2022年のGW、再び北海道でキバシリに出会うことができました。機材はD500とEタイプのゴーヨンとなり、当時は姿が滲んで見えなかったコロボックルのようなキバシリも、今回はしっかり姿を映し撮ることができました。
北海道のキバシリは亜種キタキバシリです。本州のキバシリとの違いは背中の黄色みが抜けて白っぽいことでしょうか。特に翼に見える逆L字型の模様が、キタキバシリは白くなっています。
「秩父のキバシリ」 クリックで拡大します。
埼玉県秩父郡
2020/3/7
1024×682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
標高1,000mくらいの山で見たキバシリです。上のキタキバシリと違って黄色みが強く、特に翼のL字模様が黄色いのが分かりますでしょうか。
「中禅寺湖のキバシリ」 クリックで拡大します。
栃木県中禅寺湖畔
1024×682 px
2020/02/24
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
中禅寺湖は奥日光の標高1,260mの高地にある大きな湖です。湖の北には戦場ヶ原という湿原もあって、特に冬季は野鳥がにぎやかな場所です。
キバシリは木の幹の正面にいるとこの絵のように保護色で中々気づくことができません。なので身体が幹の横に出てきたときがやつを見つけるチャンスとなります。動き的にコゲラににているため、「またコゲラかよ!」とか無視しないようにしましょう。ちなみに同じような環境でよく見るゴジュウカラは木の幹を上下フリーで移動することができますが、キバシリはキツツキ類と同じで登り一方通行に餌を探し歩き、枝の先や木の天辺まで行きついたら、一旦飛び降りて低い位置に移動し、またそこから登り始める、という行動をします。トップ絵のように尾羽を使って木の幹に張り付くところもキツツキっぽいのですが、先にも書いた通りキツツキ科の鳥ではありません。分類的には過去からあちこちと変遷があり、現在はミソサザイやゴジュウカラに近いとされています。
観察データ
場所と回数:埼玉県 1、栃木県 1、北海道 2、計4回。本州では標高1,000m以上の山で。北海道(亜種キタキバシリ)では山と平地で見ています。
観察月と回数:
1月0
2月1 〇
3月1 〇
4月0
5月1 〇
6月1 〇
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
計4回
留鳥です。ただ私自身観察回数が少ないので、本当に年中見られる鳥なのかはわかっていません。
(トップ画像 キバシリ 2020/02/24 D500 500mm/F4 栃木県)
初出:2020/03/14
改訂:2024/07/28 全面作り直し