シロガシラ 白頭
Shirogashira
Pycnonotus sinensis
Light-vented Bulbul  
シロガシラ スズメ目ヒヨドリ科
 美しい声でな鳴く
 南国のヒヨドリ


シロガシラについて



 シロガシラは昔々台湾(台南市)に出張に行ったときにホテルの敷地で出会った南国のヒヨドリです。姿を見つけたというより、とてもよく響くきれいなさえずりを耳にして、頭上を向いたら電線で鳴いていた、というシチュエーションでした。
 当時は携帯のカメラ機能もまだ写メが始まった頃ですから、仕事で記録に使えるような性能のものではありませんでした。そこで買って間もないD100を持って出かけていたものの、まだ鳥見を初めていなかった私ですから、持って行ったレンズは60mm Micro一本。それでも頭上で鳴く鳥の声がとてもきれいで、「どんな鳥なんだ?」という興味が先立って、撮れる範囲で撮っておきました。
 日本に戻って、図鑑とにらめっこしたところ、この鳥はヒヨドリの仲間であるシロガシラであるとわかりました。鳥見以前とはいえ、もちろんヒヨドリのことは知っていたので、その鳴き声の落差には非常にびっくりした記憶があります。






「シロガシラのさえずり」 画像をクリックすると鳴き声が再生されます。(音が出るのでご注意ください)

WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ ヒヨドリ
WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪ WAVE ♪


台湾台南市
Wave音声ファイル 2秒
2004/04/10
携帯電話ムービーから音声抽出


 台湾で聞いた鳥のさえずりが魅力的だったので、携帯ムービーで録画して長く自分の着信音に設定していました。これはそのムービーから音声だけ取り出したWaveファイルです。
 このとき背を逆エビ反りにした姿で、体を激しくぶるぶる震わせながら歌っていました。この時点でヒヨドリの仲間だとは思いもよりませんでした。




「台南のシロガシラ」 クリックで拡大します。

台南のシロガシラ


台湾台南市
1024x682 px
2004/04/11
Nikon D100 Mode A
AiAF Micro Nikor 60mm / F2.8


 台湾のホテルの庭にいたシロガシラ。ヒヨドリよりはだいぶと小さく、モズくらいのサイズ感でしょうか。シロガシラの名前の通り後頭部が白いのがわかります。
 この絵を撮ったD100はAPSC機ですから60mmレンズはフルサイズ換算90mm相当となります。この画角はポートレートで使われる領域なので、鳥相手だと風景込みの絵にしかなりません。それでもこの絵を記録しておいたことで、図鑑に照らし合わせて鳥の正体を知ることができましたから、まずは撮っておくことが大事だなと教わりました。
 額の黒色部が狭いので夏羽の個体と思われます。




「八重山諸島のシロガシラ」 クリックで拡大します。

八重山諸島のシロガシラ


沖縄県八重山諸島
1024x682 px
2025/03/15
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 シロハラクイナを探しに農道を車でゆっくり移動していたところ、頭上の電線に中型の鳥を見つけました。最初セキレイかと思いましたが、少し体が大きい。レンズで覗いてみると、台湾以来で久しぶりのシロガシラだとわかりました。下から見ると英語名にあるとおり、お尻周りが白いのがわかりますね。
 沖縄県内で見られるシロガシラと台湾で見られるシロガシラは、どちらも同じ亜種です。ただ八重山諸島で耳にしたシロガシラの鳴き声は、台湾で聞いたものとは少し違いました。国が違えば言葉も違うのでしょうか??
 こちらは額の黒色が頭頂まで続いており、冬羽だと思われます。





観察データ

場所と回数:台湾の台南 2、沖縄県八重山諸島 1、計3回。台湾では市街地で。八重山諸島では畑の中の道端で見ています。平地で普通に見られる鳥のようです。国内では沖縄島以南で周年見られるとのこと。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月1 〇
4月2 〇〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
計3回
 留鳥です。



 (トップ画像 シロガシラ 2004/4/10 台湾台南市 D100 + 60mm/F2.8 )

 初出:2025/08/11