オオバン 大鷭
Ooban
Fulica atra
Eurasian coot

オオバン ツル目クイナ科
 泳ぎ上手で潜りもできるクイナ
 黒い体に白い嘴と額板が目印


オオバンについて



 オオバンは名前の通りバンを一回り大きくした姿の鳥です。ただ体形は似ていますが、色目は全然違います。額板と呼ばれるおでこの角質部分が、バンでは真っ赤なのに対し、オオバンは真っ白。バンは身体も茶色とダークグレーで赤や黄色が混じったくちばしも相まってカラフルなイメージですが、オオバンはクチバシ以外真っ黒でモノトーンです。
 先に両者の体形が似ていると書きましたが、足指の形状は全く違っています。オオバンは弁足と言って、指の両側が木の葉状になっていて、一種の水かきのようになっています。カイツブリ類がこの足をしていますが、オオバンもカイツブリと同じく、弁足を使って上手に潜ることができます。一方バンは潜りません。
 このようにバンとオオバンは似ている部分と全然違う部分が混在していて、同じクイナ科ではあるものの属レベルでは違う仲間です。





「オオバン」 クリックで拡大します。

オオバン

茨城県大洗町
1024x682 px
2024/01/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 水に浮かぶオオバンは身体が丸っこくてカモよりカイツブリに似た印象があります。ちなみにオオバンの食性は植物が主です。水に潜った後、くちばしに藻や水草を咥えて浮かんでくる姿をよく見かけます。
 



「オオバン 正面」 クリックで拡大します。

オオバン 正面

東京都
1024x682 px
2023/12/23
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 都内の公園にいたオオバンです。額版は卵型ですね。




「オオバン 陸の上」 クリックで拡大します。

オオバン 陸の上

千葉県銚子市
1024x682 px
2016/12/18
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 陸に上がったオオバン。カモと比べると立った感じです。このあたりはツル目だけあって、立ち姿がきれいだと感じます。
 足指が節ごとに膨らんでいるのがわかりますでしょうか。このふくらみが水かきのような役目をして潜水を助けています。




「オオバンの群れ 飛翔」 クリックで拡大します。

オオバンの群れ 飛翔

滋賀県長浜市
1024x682 px
2025/12/07
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 オオバンはかなり人間にフレンドリーな鳥なです。人が思ったより近づいていっても「けっ、うっとおしいのが来たし」見たいな顔をして、ぼちぼち足漕ぎで遠ざかっていくことがほとんどなため、カモのように「慌てて飛んで逃げる」ということをまずしません。このためオオバンの飛んでいるところを観察できるのは割と稀です。
 このときは群れの近くにモーターボートが走って来たので、皆がわらわらと飛んで逃げてくれました。ただカモなどのように「一旦高く上がってとりあえず遠くまで逃げておく」みたいなことはなく、「安全を保つため最小距離だけ少し飛んで着水」、みたいな感じで終わりました。鈍感なのかめんどくさがりなのか、はたまた人の足元を見て動く賢い鳥なのか。面白い鳥です。




「オオバンの羽根」 クリックで拡大します。

オオバンの羽根

千葉県の海岸で拾得
1024x682 px
2018/11/17
Nikon Z6II Mode A
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S


 千葉の海岸で冬の水鳥を観察していたとき、足元に黒い羽根を一枚拾いました。軸端から羽根先まで全長65mmです。「ハトサイズ以上の鳥の肩羽かな? 」黒い羽根なので近くにいた鳥で該当種を考えればスズガモ、オオバンくらいが候補でしょうか。
 家に戻って「羽原寸大写真図鑑」で調べてみたところ、該当はなんとオオバンの尾羽でありました。今までたくさんの尾羽を拾ってきましたが、こんな丸くて短い、しかも柔らかな尾羽を見たのは初めてです。「そういやオオバンのお尻ってなんもなくて丸いよな」とあらためて納得。ともあれ落とし主がわかって一安心しました。(返しませんけど)





観察データ

場所と回数:九州から北海道まで海(内湾・港湾が多い)、川(中流から河口まで)、湖沼など水辺ならおよそどこででも見られます。ただ田んぼでは見たことがありません。「藻や水草がある水辺」といった感じでしょうか。記録は各地で計100回ありました。

観察月と回数:

1月 18 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
2月 15 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
3月 12 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
4月 3  〇〇〇
5月 4  〇〇〇〇
6月 0
7月 0
8月 0
9月 0
10月 4  〇〇〇〇
11月 19 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
12月 25 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計100回

本州で冬鳥、北海道で夏鳥です。本州でも涼しい場所では繁殖しているようです。
季節の話ではありませんが、私には2013年より早いオオバンの撮影記録がありません。野鳥観察の当初(本格的には2007年くらいから)は小鳥中心だったため、当時は水鳥を進んで見に行くことはあまりありませんでした。それでも川や池周りには行っていましたし、カモ類の記録は10種くらいあるし、カイツブリの記録もあるので、オオバンに関しては「おそらく今よりかなり数が少なかったのでは?」と思っています。ただ地味な鳥なので、無意識に目が届いていなかった可能性もあるかなと。私のことですからありそうで怖い。



  (トップ画像 オオバン 2020/12/26 D500 15-600mmZoom F5.6-6.3 千葉県)

 初出:2015/02/11
 改訂:2016/03/07 陸に上がった画像を追加
 改訂:2016/12/31 陸に上がった画像を差し替え
 改訂:2018/11/17 尾羽の画像を追加
 改訂:2019/2/14 文章の校正
 全面改訂:2026/2/15 全面書き直し