オオセッカ 大雪加
Oosekka
Locustella pryeri
Japanese Swamp Warbler
オオセッカ スズメ目センニュウ科 絶滅危惧1B類 EN
葦原の中から
ブーメランのように飛び出ては戻る
茶色い夏の小鳥
葦原の中から
ブーメランのように飛び出ては戻る
茶色い夏の小鳥
オオセッカについて
名前からわかるとおり、オオセッカはセッカとよく似ています。しかし以前は同じウグイス科で収まっていた両者が、今ではセッカはセッカ科に、オオセッカはセンニュウ科に分類されています。
では、両者の似ているところと違うところを簡単に書きしるしてみましょう。
*似ているところ*
葦原大好き
葦原から飛び出して、飛びながらさえずる
ぱっと見て姿が瓜二つ
夏の鳥
*違っているところ*
セッカは波状的な羽ばたきで、地面に対して水平に飛び回る。オオセッカは地面に対して垂直に円を描いて飛んで戻る
セッカは上昇下降でさえずりを2音色使い分ける。ヒッヒッヒ/チャッチャッチャ。オオセッカはジュリジュリジュリとずっと1音色でさえずるのみ
こうやって比べてみると、似ているところは大局的な見方であって、違っていることはより詳細なことであることがわかりますね。鳥類の分類学が今ほど詳細に分岐していなかった中世以前の時代では、見た目等大局的な判断が主になっていたたことと思います。オオセッカがそんな時代に名づけられたのだとすれば、「やっぱりオオセッカは「大セッカ」でいいよな!」と思う私です。
「オオセッカ」 クリックで拡大します。

茨城県稲敷市
1024x682 px
2024/05/18
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
霞ヶ浦周辺の葦原で撮ったオオセッカです。この日は葦原の広い範囲でたくさんの個体がさえずり飛翔をしていました。
オオセッカは人に敏感な小鳥なので、近距離から観察できることはあまり期待しない方が良いかもしれません。頑張って静かに座って石になり、じっと待つ手もありますが特にオオセッカやコジュリンを探そうと思うと、最大の敵は時期的に「陽射し」となります。当たり前ですが、葦原は人が隠れる場所がほとんどありませんので熱射病などに注意が必要です。
「オオセッカ 2」 クリックで拡大します。

千葉県東庄町
1024x682 px
2018/05/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
こちらは利根川沿いの葦原での記録です。
オオセッカはさえずり飛翔をした後に葦原に戻るまでを追いかけるのが観察の基本です。着地後はしばらくそこに居続けるので、この作戦でオオセッカを認識するまでは割と簡単に行えると思います。
ただし、オオセッカは葦原の天辺付近には舞い降りてくれません。草の天辺からから少し下、概して50cmくらいでしょうか、これくらいの位置に隠れていることが多いので、ファインダーに入ってもたいていが草被りとなります。あとは葦が風に揺られて葉っぱがどいてくれるときを待ち、身体全体が見えた瞬間を狙って連射!こんな感じでしょうか。
できれば葦原を少し見下ろせるような場所から撮る方が、撮影は行いやすいです。大写しを狙って葦原の際に陣取ってしまうと、オオセッカは葦原の中に完全に隠れてしまうため、逆に見つけること自体が困難になります。(欲を出して失敗することが多く、出かけた半数くらいは姿を残せず終わっています)
「オオセッカ 巣材運び」 クリックで拡大します。

茨城県稲敷市
1024x682 px
2024/05/18
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
オオセッカが珍しく葦原の上部にいるのを見つけました。このとき隣にオオヨシキリがいたので、オオヨシキリのカップルかと見間違いそうになりました。
一連の写真を見ると葦の穂の柔らかそうなところを食いちぎってどこかに飛び立ちました。どうやら葦の穂を巣材にしているようです。柔らかそうな穂のでヒナたちにも気持ちのよい巣ができそうですね。
「オオセッカ 飛び立ち」 クリックで拡大します。

茨城県稲敷市
1024x682 px
2024/05/18
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
オオセッカは葦原から天に向かって飛び立ち、さえずりながら縦に輪を描いて戻ります。ずっとこの繰り返しなので、飛び出しを撮るのは比較的難易度も低く、お勧めの撮影方法です。
「オオセッカ 飛翔」 クリックで拡大します。

茨城県稲敷市
1024x682 px
2016/05/02
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
オオセッカのさえずり飛翔の絵です。腕がないのでこのような米粒写真しか撮れない一方、見た目に近い風景を撮れたことに関しては、長くお気に入りとなっている一枚です。
観察データ
場所と回数:千葉県2、茨城県3、計5回。利根川から茨城霞ヶ浦沿いの広い芦原で局地的に繁殖しています。他には栃木や青森でも繁殖地があるそうです。冬は各地にちらばるとのことですが、数が少ないため見つけるのは困難だと思います。
オオセッカは国内で絶滅危惧IB類に分類される希少種です。広い葦原がなければ生きていけない小鳥です。現在の生息数はわずか1,000羽台とのこと。これって実はマナヅルとかよりずっと少ないんですよね。皆で葦原を大事にしていきましょう。
観察月と回数:
1月 0
2月 0
3月 0
4月 1 〇
5月 3 〇〇〇
6月 0
7月 0
8月 1 〇
9月 0
10月 0
11月 0
12月 0
計5回
私の記録は4月28日~8月11日の間にあります。観察するなら、GWから5月いっぱいをお勧めします。夏まで観察は可能ですが、代わりに暑さ対策が必要となりますので、半ば我慢大会のようになってしまいます。逆に初夏の間に繁殖地の葦原に行きさえすれば、観察自体は容易な部類だと思います。
(トップ画像 オオセッカ 2024/05/18 茨城県稲敷市)
初出:2017/07/23
初出:2018/04/10 分類の変更に伴う文章の校正
初出:2018/05/05 千葉県利根川河川敷の絵を追加
初出:2019/08/12 静止画を差し替え、観察記録を更新
全面改訂:2024/05/18
初出:2024/12/24 文章の校正









