Sakanaya's Graphic Works 福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Fukuyama
Japanese Wild Birds in Fukuyama
キジバト 雉鳩
Kijibato
Streptopelia orientalis
Oriental turtle dove
キジバト ハト目ハト科
日本で最もよく見るハト(ドバトを除く)
日本で最もよく見るハト(ドバトを除く)
キジバトについて
私は子供の頃を大阪府池田市で過ごしました。池田市は今は完全な住宅地ですが、当時はまだ田畑や林も残っていて、家の周囲から「デーデー・ポッポー」と繰り返して鳴くキジバトの声をよく聞いていました。
キジバトの鳴き声は小鳥のさえずりと比べればかなり異質な響きです。まず声が低い。オーボエみたいな低音の笛みたいな声質です。またリズムがゆったりとしていて音程もはっきりとしているため、鳥のさえずりというよりは人の歌声に近いと感じます。
キジバトはドバト(カワラバト)のように町の雑踏までは入り込んできません。ただ町中の公園や里山の人家近くではごく普通に見られる野鳥です。このように簡単に出会えますし、姿色目も地味なハトなので、観賞対象としては人気のある鳥ではありません。しかしよく見てみると、地味な中にも優雅で雅な色目をしていて、実はとてもきれいなハトだとわかります。
「公園のキジバト S.o.Orientalis」 クリックで拡大します。


神奈川県横浜市
1024x682 px
2018/04/15
Nikon D500 Mode S
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
個人的な話で2018年3月に手術をして半月ほど仕事をお休みしました。その間安静にしていたことで身体がなまってしまい、リハビリを兼ねて自宅から近い里山公園に鳥見散歩に出かけました。鳥見においては微妙な時期ですからあまり多くの鳥は観察できませんでしたが、キジバトだけはしっかりと相手をしてくれました。おかげできれいな絵を残すことができ、感謝の次第。
1枚目:公園の道端の枝にいたキジバト。
2枚目:公園内の田畑で餌を探していたキジバト。
胸のブドウ色や翼のうろこ模様がきれいです。
本州で見られるキジバトは亜種含めた中で基種となります。
「キジバト ペア」 クリックで拡大します。

長野県松本市
1024x682 px
2019/05/02
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
長野の標高1,500m付近の高地で撮ったキジバトのご夫婦。キジバトは低地から亜高山まで広い場所で見られます。
「我が家のキジバト」 クリックで拡大します。

広島県福山市
1024x682 px
2013/05/07
Nikon D200 Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4s
福山時代のこと。キジバトはよく我が家の敷地内で営巣していました。庭の落ち葉を掃除していて、頭の上でハトが巣を守っているのに気付くことがありましたし、またあるときは極端な例がありまして、玄関のすぐ横に植えてあるジャスミンのもつれた蔓の中に巣を構えていたこともありました。このときは毎朝出勤で家の戸を開けては「キジバトさんおはよう」みたいなちょっとシュールな体験をしました。
この絵の2013年も家の月桂樹の木に巣を作ったのですが、毎回結構低い位置に作るので「猫にやられるんでないの?」と心配させられます。そして結局のところ、ある日巣の下に卵が落ちて割れてしまっているのを見つけました。もちろんキジバトもいなくなっていました。
猫の仕業かはたまたカラスか、何の仕業かわかりませんが、やはりあまりに無防備な巣作りは、中々雛が孵るまでに至らないようです。だからといって私が手を出すわけにもいきませんので、仕方ありませんね。人にフレンドリーなのはありがたいですが、巣はもう少し安全なところで守ってほしいものです。
「キジバト 飛翔」 クリックで拡大します。

神奈川県横浜市
1024x682 px
2016/05/07
Nikon D500 Mode S
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
市内の公園にオナガを観察にでかけて見つけたキジバトです。
尾羽先端の白帯がよく目立ってきれいです。
「キジバトの羽根」 クリックで拡大します。

神奈川県横浜市
1024x682 px
2016/06 拾得
Nikon D200 Mode A
Nion DX Zoom 18-55mm/F3.5-5.6G II ED
市内の公園で拾ったキジバトの羽根。図鑑で見る限り一番外側6番尾羽のようです。
上の飛翔写真を見ても大外に白いラインが出ており、この羽根の模様と一致していますね。
「亜種 リュウキュウキジバト S.o.Stimpsoni」 クリックで拡大します。

沖縄県石垣市
1024x682 px
2025/03/16
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
八重山諸島で撮った亜種リュウキュウキジバトです。
亜種キジバトとの違いは全体的な色目が濃いこと。写真では日照加減によって色目の濃淡が変わるのでわかりにくいかと思いますが、現場で見ると確かに違和感があった感じです。色が濃いというより「暗い色をしているな」的なイメージでしょうか。ちなみに鳥の色目が南方種になるほど濃くなるのはキジバトだけの話ではありません。同じ日に見たイシガキヒヨドリも色が濃い亜種となっています。
リュウキュウキジバトを見た生息環境的には本州の亜種キジバトとほぼ変わりませんでした。山の道沿いや田舎の田畑周辺などでよく見かけました。
観察データ
場所と回数:八重山諸島 4、中国地方 14、近畿 2、東海甲信越 9、関東 26、東北 2、計57回。日本全国で普通に見られます。2月に野辺山でも記録しているので、平地から亜高山くらいまでなら季節を問わず見られるのではないでしょうか。
最も身近にいる野鳥の一つで、身体も大きく目立つため、写真に残していない場合まで含めれば観察数はおそらくトップクラスの一つだろうと思います。
観察月と回数:
1月8 〇〇〇〇〇〇〇〇
2月3 〇〇〇
3月8 〇〇〇〇〇〇〇〇
4月3 〇〇〇
5月7 〇〇〇〇〇〇〇
6月4 〇〇〇〇
7月3 〇〇〇
8月1 〇
9月3 〇〇〇
10月5 〇〇〇〇〇
11月4 〇〇〇〇
12月8 〇〇〇〇〇〇〇〇
計57回
留鳥です。季節を問わずまんべんなく見られます。
(トップ画像 キジバト 2022/10/01 D500 500mm f4.0 南巨摩郡)
初出:2015/04/05
改訂:2016/10/24 尾羽の写真を追加
改訂:2017/06/07 飛翔写真を追加
改訂:2020/01/01 トップ絵を差し替え
全面改訂:2025/04/13 全面書き直し