カイツブリ 鳰
Kaitsuburi
Tachybaptus ruficollis
Little grebe

カイツブリ カイツブリ目カイツブリ科
 近所の池にポツンといることが多い
 小柄なカイツブリ


カイツブリについて



 カイツブリはどこの池でもよく見られる日本を代表する水鳥の一種です。関東以西では留鳥もしくは冬鳥。東北以北では夏鳥。夏場は水面上に浮巣を作って子育てするので、夏場にヒナを従えて仲良く池を泳ぐ姿もよく見られます。
 潜るのが得意な鳥で、しょっちゅう姿が見えなくなります。一方で浮いているときは身体の大部分が水面上に浮いて見える感じで、同じく潜水が得意で普段から身体が沈みがちなウなどとは逆な感じです。






「カイツブリ 生殖羽」 クリックで拡大します。

カイツブリ 生殖羽

「カイツブリ 生殖羽 浮巣作り」 クリックで拡大します。

カンムリカイツブ 生殖羽 浮巣作り


東京都
1024x682 px
2023/05/04
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 東京都内の公園にいたカイツブリです。1枚目、潜って捕まえたのはサイズ的にザリガニでしょうか。この時期のカイツブリは頬から首にかけてが濃い赤茶色となります。カイツブリは雌雄同色のため、性別は不明です。
 2枚目は浮巣を作ろうと巣材を運ぶカイツブリです。カイツブリは雌雄共同で巣作りするため、やはり性別は不明です。



「千葉のカイツブリ 冬羽」 クリックで拡大します。

千葉のカイツブリ 冬羽 千葉


千葉県習志野市
1024x682 px
2016/01/03
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 千葉の汽水域で見つけたカイツブリ。尾羽がないように見えますが、実際には小さく短い尾羽があるそうです。
 まるで水の上にボールが浮いているみたいで可愛いですね。



「長野のカイツブリ 冬羽」 クリックで拡大します。

長野のカンムリカイツブリ 冬羽


長野県安曇野市
1024x682 px
2018/02/11
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 水鳥がたくさんいる川の淀みのような場所にて。
 寒空の曇天下でしたが、カイツブリは凍るような水の上でも元気なものです。



「カイツブリ ハゼを食う」 クリックで拡大します。

カイツブリ ハゼを食う


千葉県印西市
1024x682 px
2023/02/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 千葉の沼で見つけたカイツブリは、大きなハゼらしき魚を咥えていました。カイツブリたちは見ていてびっくりするような大きな獲物を一飲み込みで平らげます。よく喉が詰まらないものだと感心します。



「陸に上がるカイツブリ」 クリックで拡大します。

陸に上がるカイツブリ


広島県福山市
1024x682 px
2015/09/03
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 珍しく干潟の海にいたカイツブリです。カイツブリは体の割にすごく大きな足を持っているようにみえますが、足ひれが弁足といわれる指ごとに分かれたひれになっていて、これで水中の大きな推進力を生みます。また水中で前進しやすいように、足が身体の後ろ側から出ているため、立ち上がると身体が立つような姿勢になるのも独特です。
 左横にいるのはソリハシシギですね。「なんか珍しいやつが陸に上がってきたぞ」みたいにびっくりしているのでしょうか。



「カイツブリ 若」 クリックで拡大します。

カイツブリ 若


福島県耶麻郡
1024x682 px
2016/10/09
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 裏磐梯の五色沼を散策していて見つけたカイツブリの若鳥です。この年に生まれたばかりのお子様だと思われ、まだ幼鳥の面影が残ります。
 この絵の直前、大きなザリガニを咥えていたのですが、中々飲み込めずに最後は落として諦めてしまいました。このあと頑張って成鳥まで育ってくれたのでしょうか。



「カイツブリ 群れ」 クリックで拡大します。

カイツブリ 群れ


岡山県笠岡市
1024x682 px
2014/10/25
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3

 岡山県の汽水の池で見つけたカイツブリの群れです。
 およそカイツブリは単体もしくはカップルで見ることが多いと感じます。本州中部以西の池などで繁殖もしている留鳥の場合は、年中縄張り内で過ごすため群れることはないようですが、北国で繁殖し、冬に南へ移動する個体群の場合は、秋から冬場にかけて群れで生活するものもいるようです。
 




観察データ

場所と回数:沖縄 1、広島 17、岡山 6、鳥取 2、大阪 1、滋賀 2、福井 1、長野 2、神奈川 4、東京 4、千葉 4、茨城 4、福島 1、 計49回。あらためて数えてみると、西日本でのカウントが多いです。特に東北での観察は福島で秋に見た1度きりしかありません。温暖な環境が好きなのでしょうか。
 見た場所は汽水を含めて池沼 = 淡水域が圧倒的に多く、完全な海での記録は穏やかな内湾で2回だけです。川での観察は河口近くや内陸の淀みなど、流れが緩やかな場所に限っています。

観察月と回数:

1月 8 〇〇〇〇〇〇〇〇
2月 5 〇〇〇〇〇
3月 6 〇〇〇〇〇〇
4月 1 〇
5月 3 〇〇〇
6月 1 〇
7月 0
8月 3 〇〇〇
9月 2 〇〇
10月 3 〇〇〇
11月 8 〇〇〇〇〇〇〇〇
12月 9 〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計49回

本州中南部で留鳥もしくは冬鳥です。東北以北では夏鳥のため、秋から冬は本州中南部に移動します。



 トップ画像 カイツブリ 2017/12/30 D500 500mm/F4x1.4テレコン 琵琶湖湖北


 初出:2019/10/15
 全面改訂:2025/10/25