ミミカイツブリ 耳鳰
Mimikaitsuburi
Podiceps auritus
Horned Grebe

ミミカイツブリ カイツブリ目カイツブリ科
 ハジロカイツブリによく似た
 少しスマートなカイツブリ


ミミカイツブリについて



 ミミカイツブリはハジロカイツブリにとてもよく似た種です。日本では冬鳥なので、ハジロカイツブリとよく似た白黒のコントラストがはっきりとした姿をしています。ハジロカイツブリの方がくちばしが上に少し反り上がっているところ。また、ハジロカイツブリは黒い帽子が目の下部より更に下がっていますが、ミミカイツブリは目の下端と帽子のラインが一致するところでしょうか。他にもよく見るとミミカイツブリは目から口元に血走ったような赤いラインが入っていて、この辺りまで観察出来ればまず見間違うことはないと思います。
 ミミカイツブリはかなり出会いが少ないカイツブリです。今のところ私は海でしか見たことがありませんが、繁殖は淡水の池などで行うので、海水オンリーではないようです。国内では繁殖もしておらず特にレッドリストへの記載はありませんが、国際的には近年になってLCからVUに評価が引き上げられており、日本でも見られるチャンスは段々と減ってくる可能性があります。






「ミミカイツブリ 冬羽」 クリックで拡大します。

ミミカイツブリ 冬羽


宮城県
1024x682 px
2019/12/23
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 宮城県の太平洋岸で見つけたミミカイツブリの記録です。ちなみにこのときは初見でしたのでとても嬉しかったことを思い出します。幸いそこそこの距離で観れたため、この鳥がハジロカイツブリでないことは現場のリアルタイムでわかりました。



「九十九里浜のミミカイツブリ」 クリックで拡大します。

九十九里浜のミミカイツブリ


千葉県九十九里浜
1024x682 px
2024/02/17
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 冬の九十九里浜には毎年冬ガモ観察に出かけます。砂浜に突き出た防波堤から周囲を観察していると、ときどきミミカイツブリを見かけることがあります。ここ5年くらいはほぼ毎年一度くらいは出会いがあるといった程度でしょうか。数えてみると2020年から25年の各晩秋から初春の間に九十九里浜へは17回通っていたのに対し、出会いは6回あったので、ざっと1/3くらいの当たり確率でしょうか。ただ、ミミカイツブリとはあまり近場で観察できていません。また、波が大きい場合が多いので、残っている絵もあまり芳しいものがありません。今年もまた良い出会いに期待して、九十九里浜に通いたいと思います。



「ミミカイツブリのダイビング」 クリックで拡大します。

ミミカイツブリのダイビング


千葉県九十九里浜
1024x682 px
2024/12/08
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 カイツブリ類がダイビングする姿は皆よく似ています。いずれも少しジャンプしながら体を丸くしてきれいな円を描くようにダイブしていきます。このとき、先に頭から首が水面下に入るわけですが、ここまでは最初のジャンプの勢いで入ります。そこから更に身体を沈めるにあたっては、後ろ脚がしっかりと水を蹴られるように、足ひれの後ろに水の壁を残していることがわかります。




観察データ

場所と回数:千葉県九十九里浜 6、鹿島灘 1、宮城県の太平洋岸 1。計8回。全て関東以北の太平洋岸で見ています。内湾や湖沼で見たことはありません。
 今のところ群れで見たことはなく、全て1~2羽の少数で見ています。

観察月と回数:

1月 3 〇〇〇
2月 3 〇〇〇
3月 0
4月 0
5月 0
6月 0
7月 0
8月 0
9月 0
10月 0
11月 0
12月 2 〇〇
計8回

冬鳥です。12月8日から2月17日の間で見ています。



 トップ画像 ミミカイツブリ 2024/12/08 D500 500mm/F4 九十九里浜


 初出:2019/12/23
 改訂:2020/1/23 観察データを更新
 全面改訂:2025/10/26