アマサギ 猩々鷺
Amasagi
Bubulcus ibis
Cattle egret

アマサギ ペリカン目サギ科アマサギ属
 初夏の田んぼで見かける
 オレンジ色の顔をしたサギ


アマサギについて



 福山時代の自宅のような周りに田畑が多い田舎環境では、「シラサギ」はどこにでもいて周りの風景に溶け込んでいる存在だといえます。しかし一口に「シラサギ」といっても、実際には大・中・小の三種類と、これから紹介するアマサギが季節・場所によって入れ替わって現れているのであり、実態は少々複雑です。
 私の経験でお話ししますが、アマサギを見るなら初夏の田んぼに限ります。季節はGWから梅雨の間、田に水が張られて田植えが始まる頃がベストです。また山間地のような田んぼより、市街地に近い平地の田んぼの方でよく見かけるように思います。
 探すヒントをもう一点紹介します。実はアマサギは牛が大好きです。アマサギの英名は"Cattle egret"であり、この"Cattle"は牛を指します。東南アジアで農耕に使われる水牛などの周りをうろちょろしておこぼれをもらうことからつけられた名前だそうです。
 私の実体験を2つ紹介します。
 まず一つ目。春先の八重山諸島で石垣牛や水牛が飼われている場所を通りかかったとき、必ずアマサギがいました。中には背中に乗っているやからもいる始末。牛がしっぽを振って払おうとしてもぎりぎり届かない場所で逃げようとしません。やはりサギは悪賢いイメージです。
 2つ目。佐賀県に旅行に出かけた際、偶然ですが畑の中にアマサギを見つけました。その畑に耕運機が入っていたのですが、耕運機のすぐ横をアマサギが付いて歩きます。。。アマサギからすれば牛も耕運機も同じなのか。。。噂には聞いていましたが、実際見てみるとその怖さ知らずの姿に思わず笑ってしまいました。





「田んぼのアマサギ 1」 クリックで拡大します。

田んぼのアナサギ

広島県福山市
1024x682 px
2013/05/27
Nikon V1 Mode A
Nikkor AiAF ED 300mm/F4s


 福山時代の自宅裏の田んぼでの風景です。おそらく田植え前に田んぼに水が張られてすぐの頃だったと思います。
 田んぼに水が張られるとその日の夜から一斉にカエルが合唱を始めます。そんな環境ですから、アマサギにも餌が豊富な場所だったのだろうことがわかります。あれから12年経った今ですが、とても懐かしい思い出です



「田んぼのアマサギ 2、3」 クリックで拡大します。

田んぼのアマサギ 2

田んぼのアマサギ 3

広島県福山市
1024x682 px
2013/05/27
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 こちらは福山の自宅から少し離れた田んぼの畔で見つけたアマサギです。こちらは田植えが既に始まっていて、稲も少し伸びた状態でしたからか、アマサギたちは畔や周囲の草むらで活動をしていました。
 田んぼの横に車をおいて中から撮ったこともあって、結構近くから撮ることができました。ちなみにこの日は同じ場所でアマサギの他にタマシギやコチドリ、マガモ、カルガモなども観察することができました。今にして思えば「福山の自宅周辺は豊かな自然環境だったなあ」と感じさせられます。



「水牛とアマサギ」 クリックで拡大します。

水牛とアマサギ

沖縄県八重山諸島
1024x682 px
2025/03/15
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 こちらは水牛と一緒のアマサギ。まるで「俺様が水牛を倒してやったぞ」みたいな感じですね。




「トラクターとアマサギ」 クリックで拡大します。

トラクターとアマサギ

佐賀県東与賀町
1024x682 px
2015/08/15
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 こちらは牛に替わってトラクターのお供をしたアマサギです。噂には聞いていましたが、実際目にするとなんともユーモラスで可愛く思えました。




「オアフのアマサギ 赤、白」 クリックで拡大します。

オアフのアマサギ 赤

オアフのアマサギ 白

2019/04/13
1280x853 px
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 ハワイオアフ島のアマサギです。2枚とも日立グループさんがやっていた「この木なんの木」のCMで有名なモアナルア公園で撮りました。

 アマサギは学名Bubulcus ibis1種のみでアマサギ属を作ります。しかし亜種が2種(3種?)認められており、これらは"Bubulcus ibis ibis"と"Bubulcus ibis coromandus"いう2亜種となります。"B i ibis"は英名で"Western cattle egret"、ヨーロッパ、アフリカから南北アメリカにいる亜種です。もう一つの"B i coromandus"は"Eastern cattle egret"と言われ、アジアからオセアニアにいるものです。これを私の記録に当てはめると、今回のオアフのものはニシアマサギで、日本のものはヒガシアマサギ(日本では単に「アマサギ」ですが海外からみるとヒガシアマサギ」)となります。1枚目の赤色型を見る限り「ニシアマサギ」は日本のものに比べて赤色が薄目ですね。赤というよりほとんど薄いオレンジでしょうか。オアフのものは頭と胸だけが色づいています(背は飾り羽がほんのりレベル)が、日本亜種は頭と胸以外にあご、喉や背中もオレンジ色になりより派手に見えます。それでもこちらの1枚目の個体は目やクチバシのみならず足まで真っ赤になっていて、完全な婚姻色であることがわかりますから、これでも一番派手な衣装になったところなのでしょうね。
 2枚目の白色個体は同じ場所で同じときに撮ったものです。日本亜種でも白色型を見ますが、こちらの亜種でも状況は同じなようです。婚姻色にならないのは若い個体だからなのかもしれません。




観察データ

場所と回数:八重山諸島 3、九州 1、中国地方 2、ハワイ・オアフ島 1回。計7回。
 観察場所は基本的に田んぼ、畑です。福山市時代の自宅すぐ裏や近所の田んぼで見かけました。九州で見た場所は佐賀の有明海のすぐ横にあった畑です。不思議と山の中での田んぼや畑、平地含めて川と海では見たことがありません。他は畜産場でしょうか。牛とは牛に付く寄生虫を餌にする云わば共生関係にあるそうです。
 国内での撮影回数は実質4度とレア的な数になっていますが、福山では車で買い物に行く途中などでたまに見かけることがあって、実際にはもっと出会っています。ただコサギやチュウサギよりは明らかに数が少ないです。関東に来てからも何度か車やバイクで走る途中の田んぼで紅い頭をした白サギをみたので、こちらでもたぶん見られると思います。ただこちらでは日帰り旅行で道を急いでいたり、すぐに停める場所もない道すがらだったので縁がありませんでした。いつか田植えの季節にバイクででかけてみよう。

観察月と回数:

1月0
2月0
3月3 〇〇〇
4月1 〇
5月1 2 〇〇
6月0
7月0
8月1 〇
9月0
10月0
11月0
12月0
計 7回

 3月4月は八重山諸島やオアフのものなので他とはデータがちょっと違うかも。日本では夏鳥です。九州から関東までの平地の田んぼ、畑。代掻きが終わった田植えの頃から梅雨時くらいの頃が稲の穂が低いので見やすいと思います。その頃が婚姻色も出るのでコサギとの見分けもし易いですね。



  (トップ画像 アマサギ 2015/05/16 D7100 Tamron 150-600mm 福山市)

 初出:2015/05/24
 改訂:2015/08/18
 改訂:2018/08/19 観察データを追加
 改訂:2020/05/24 亜種ニシアマサギの静止画を追加、観察データを修正
改訂:2021/08/15 サギ科へのリンクを追加。観察データを更新
 全面改訂:2025/3/23 全面書き直し