コサギ 小鷺
Kosagi
Egretta garzetta
Little egret

コサギ ペリカン目サギ科
 一番よく見る「普通な」シラサギ


コサギについて



 コサギは日本で最もよく目に入るシラサギです。一般的に白いサギはシラサギと呼ばれています。しかし日本では季節によってコサギ、チュウサギ、ダイサギという3種が入り交じり、ここに少し数は少ないもののアマサギなども入ってくれば、見た目が「シラサギ」であっても種としては??という状態になってしまいます。
 違いについての細かいことは左のメニューでそれぞれの種のページを見ていただいて、各種の特徴を覚えていってもらいたいと思います。しかし細かいことはわからなくても、名前の通り大・中・小の3種のシラサギがいて、もう一つのアマサギは夏の田んぼにやってくるコサギサイズのシラサギだ、と覚えておいてもらうだけでも随分と見方が変わってくるはずです。このあたりを意識してもらえれば、今日以降、季節季節で見かけるシラサギの楽しみ方が随分と奥深くなってくるのではないでしょうか。





「コサギ 非生殖羽、生殖羽」 クリックで拡大します。

コサギ 非生殖羽

コサギ 生殖羽

千葉県
1024x682 px
2018/11/17,2021/04/11
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 どちらも千葉の干潟にいたコサギです。ただし一枚目は晩秋の姿で、二枚目は春のもの。コサギは4~5月くらいは生殖羽の姿になっていて、後ろ頭の飾り羽や目先のピンク色など、見た目が派手になります。面白いのは生殖羽のときは足指まで赤っぽい色に替わるところでしょうか。「血気盛んな」という感じですね。
 



「福山のコサギ 冬羽」 クリックで拡大します。

福山のコサギ 冬羽

広島県府福山市
1024x682 px
2002/11/07
Nikon D100 Mode A
Nikkor AiAF ED 300mm/F4s


 おそらく本Webで掲載する野鳥写真の中では最古参となる一枚です。この年の秋に初めてデジタル一眼レフのD100を手に入れました。それまで銀塩では色々と負担だった現像及びプリントのコストが一切不要となったため、過去に運動会でしか使うことがなかったオールドサンヨンを使ってその辺にいる鳥を何も考えず、試しに撮ってみた、という記念すべき(?)1枚です。家の近所で撮っていて、周囲に民家なども入り込んでいるためトリミングしてありますが、そういう作業も含めて「野鳥を撮るのって結構面白いかも?」と手ごたえを感じさせられた一枚です。
 ちなみにD100は当時初めてアマ向けに出されたデジタル一眼レフで、画素数は600万画素。およそ3,000x2,000 Pixで連射は4枚まで!という今にして思えば色々物足りなさを感じるしろものでした。しかし造りは高級感があって非常にしっかりしていましたし、きちんと撮れたLaw画像が吐き出す絵は今見ても秀逸だったと思います。4年後にD200に買い替えるまで、家族写真と野鳥とで随分活躍してくれました。懐かしい思い出です。




「寒風に耐えるコサギ」 クリックで拡大します。

寒風に耐えるコサギ

神奈川県三浦市
1024x682 px
2017/01/08
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 首を折りたたんでじっと寒風をしのぶ港のコサギたち。すっかりダルマさん状態です。
 後ろ頭や長い首が見事に隠されていて、この姿からは本来のスマートな姿がまったく想像できません。あらためて生き物の造形って凄いなと思います。




「コサギ 飛翔」 クリックで拡大します。

コサギ 飛翔

千葉県印西市
1024x682 px
2023/11/25
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 サギ科に属する鳥たちの特徴として、「飛翔時に首をS字状にたたんだ姿で飛ぶ」ということがあります。分かりやすい例として、名前に〇〇サギと付けられている鳥の中にはサギ科以外の鳥もいて、例えばヘラサギやクロツラヘラサギは科としてはトキ科に含まれます。これらの鳥たちはトキも含めて皆首を伸ばした姿(少し曲げる程度はあり)で飛翔します。ちなみにツルやコウノトリ、ハクチョウのように他にも首が長い鳥がたくさんいますが、首を短くたたんで飛ぶのはサギ科の仲間だけです。




「タイのコサギ」 クリックで拡大します。

タイのコサギ

タイ・バンコク
1024x682 px
2019/07/10
Nikon V1 Mode A
1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6


 タイ・バンコク中心部にあるルンピニー公園で撮ったコサギです。ここは大きな池や川もあって、水辺の鳥も色々見られます。
 このコサギは見たところ日本のコサギと同じに見えます。念のため図鑑で調べてみたところ、同じ亜種であって日本のものと全く変わりないことがわかりました。ただ日本ではこの写真のように木の高いところに止まって休むような姿を見ることがない(少なくとも私の記録には一つもない)ので、「やはり南国の鳥は水辺に用がないときは暑さしのぎに木陰で休むのかな?」と感じました。




観察データ

場所と回数:九州から東北までで万辺なく記録があります。北海道では記録がありません。図鑑を見ても北海道では稀とあり、基本的には本州以南の鳥だと思われます。また冬場の東北でも見たことがなく、逆に八重山諸島やタイでも普通に見ているため、基本的には暖かい地域の鳥なのだろうと思われます。

観察月と回数:

1月6  〇〇〇〇〇〇
2月3  〇〇〇
3月11 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
4月4  〇〇〇〇
5月5  〇〇〇〇〇
6月5  〇〇〇〇〇
7月5  〇〇〇〇〇
8月5  〇〇〇〇〇
9月5  〇〇〇〇〇
10月10 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
11月13 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
12月5  〇〇〇〇〇
計77回

留鳥です。後ろ頭に二本の飾り羽が伸びる春から初夏あたりが見ごろでしょうか。



  (トップ画像 コサギ 2021/03/27 D200 300mmF4+1.4x 大阪市)

 トップ画像 コサギ 2021/04/11 D500 500mm/f4.0 千葉県九十九里浜にて撮影
 コサギは婚姻色で足指が黄色から桜色に変化します。面白いですね。

 初出:2014/10/25
 改訂:2015/05/19
 改訂:2021/07/24 トップ絵と飛翔への差し替え、文章の見直し、タイの個体と観察データの追加
改訂:2021/08/14 サギ科へのリンクを追加、文章の見直し
 全面改訂:2025/4/20 全面書き直し