クロツラヘラサギ 黒面箆鷺
Kurotsuraherasagi
Platalea minor
Black-faced spoonbill
クロツラヘラサギ ペリカン目トキ科 絶滅危惧種IB EN
東京湾にもやってくる
数が少ないヘラサギ
東京湾にもやってくる
数が少ないヘラサギ
クロツラヘラサギについて
クロツラヘラサギは東京湾にも少数が飛来する珍しめの渡り鳥です。やってくる場所は干潟や浅い沼地。へら状に広がった特徴的なくちばしを使って餌を探します。
私がこれまで見た場所は、前述の東京湾、八重山諸島、有明海の干潟の3か所です。東京湾は普段遠くの干潟にいて(私が見た日はこちらのパターン)、ラッキーな日にはたまに陸地の池にやってくるのだとか。
日本全体で見ると飛来地は主に九州以南に多く、全体で300羽程度が飛来していると考えられています。私の経験的にもクロツラ観察を堪能したいなら、九州の出没場所へ行くのがベストかと思います。
クロツラヘラサギは名前に"・・サギ"と付いているものの、実際はサギの仲間ではなくトキ科に属する鳥です。サギ科の鳥とは同じペリカン目同士なので、DNA的にそう遠くないものの、やはり色々と違いがあります。両者を比べたときに一番わかりやすい違いと言えば、トキ科の鳥はサギ科のように首をS字に折りたたまず、真っ直ぐ伸ばしたままで空を飛ぶ点でしょうか。
クロツラヘラサギは日本各地で定期的に飛来する個体がおり、環境省指定の国内希少野生動植物種にも指定されています。基本的に干潟の鳥なので、保護は干潟とセットとなります。
「クロツラヘラサギ 正面、横向き」 クリックで拡大します。


沖縄県八重山諸島
1024x682 px
2025/03/14
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
名前の通り、クロツラヘラサギは先端がへら状になったくちばしが一番わかりやすい特徴となっていて、遠目でもすぐにわかります。面白いのがそのクチバシの厚みで、例えばサギなどのクチバシはどちらかというとサーベル状で横には細く、縦に幅がある形状です。しかしヘラサギ類のくちばしは縦に非常に薄くて、横に幅があります。こういう形状のくちばしをもつ鳥は、色々な科にも一定数いますが、くちばしの薄さで言えばヘラサギが一番ではないでしょうか。
せっかくなのでもう一点。横向きの絵で目元を見てもらうと、クチバシから口元、おでこ、そして目にかけてが続けて真っ黒なため、目がどこにあるのかが分かりにくいと思います。一方よく似た素の"ヘラサギ"は目の周りが白色で黒色部から分離していまして、ここが"クロツラ"ヘラサギの名前の由来となっています。なお、上の写真は3月の絵なのでまだ冬羽です。夏羽は胸に淡いオレンジ色が出て、後ろ頭に飾り羽が伸びます。
「クロツラヘラサギの群れ」 クリックで拡大します。

沖縄県八重山諸島
1024x682 px
2025/03/14
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
マングローブ林の前に並んだクロツラさんたち。当日は5羽ほどの小群れで見えました。飛んできたところを写せなかったのは残念。目視した「大きく真っ白な翼を広げた飛翔姿」はとても美しかったので、また次の機会を作りたいものです。
「クロツラヘラサギの群れ(ヘラサギ含む)」 クリックで拡大します。

佐賀県有明海
1024x682 px
2025/11/23
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
岡山へ長期の出張に出かけた際、休みの日のことも考えてバイクで移動しておりました。ラッキーなことに途中の3連休が非常に好天であると予報が出たため、急遽九州に宿を取って、10年ぶりとなる有明の干潟観察にバイクツーリングも兼ねてでかけました。冬のシギチドリをメインに出かけたところ、思いもよらず主役はクロツラヘラサギに代わりました。遠路(往復1,000Km)出かけた甲斐があったと嬉しく感じました。
有明海の干潟が満潮になると、クロツラヘラサギたちは近くの田んぼに上がってきて休憩していました。その数ざっと25羽程度でしたか。ここ以外に飛んでいったのも含めると、当地にはおよそ30羽くらいがやってきているようでした。ただよく見るとこのうち5羽以上はクロツラでない「ただのヘラサギ」です(日本ではこっちの方が飛来数が少ない)。この絵の中に限っても少なくとも4羽はヘラサギです。さてどれがヘラサギかわかりますでしょうか?
「クロツラヘラサギの飛翔」 クリックで拡大します。




佐賀県有明海
1024x682 px
2025/11/23
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
3度目の出会いでやっとクロツラヘラサギの飛翔絵を残すことができました。満潮が近づくにつ入れて、沖にいた群れから順に陸に向かって飛んでくれたので、撮影に良い場所を選びつつ、じっくりと観察することができました。とても満足な一日となりました。
観察データ
場所と回数:八重山諸島 、有明海の干潟 2、東京湾 1。計4回。
観察場所は基本的に干潟です。飛来数は少ないですが、姿が大きいのでいれば遠くからでも認識はできると思います。
国内では有明海が越冬地として有名ですが、最近は東京湾への飛来数も片手くらいまで増えてきているようなのでこれからが楽しみです。
観察月と回数:
1月 0
2月 0
3月 2 〇〇
4月 0
5月 0
6月 0
7月 0
8月 0
9月 0
10月 0
11月 2 〇〇
12月 0
計 4回
渡り鳥です。日本へは越冬地としてやってくるものと、旅の途中で寄るものがいます。若鳥などではたまに夏を越す個体などもいるようです。
(トップ画像 クロツラヘラサギ 2025/03/14 Z6II 400mm/F4.5 沖縄県八重山諸島)
初出:2025/10/10
改訂:2025/12/13 有明海の観察記録を追加













