Sakanaya's Graphic Works 福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Fukuyama
Japanese Wild Birds in Fukuyama
ササゴイ 笹五位
Sasagoi
Butorides striatus
Striated heron
Butorides striatus javanica
Little heron
ササゴイ ペリカン目サギ科ササゴイ属
ゴイサギに似た 夏の小さな蒼いサギ
ゴイサギに似た 夏の小さな蒼いサギ
ササゴイについて
2016年と2019年の2度、仕事でタイのバンコクに行きました。2度とも中休みの日があったので、「これはチャンス!」と滞在していたホテルから徒歩で行けるルンピニー公園まで出かけ、当地の観察を楽むことができました。
ルンピニー公園はバンコクの真ん中にある大きな都市公園で、中央部には結構大きめの池があります。「池の周辺に何か水鳥でもいないかな?」と探してみると、ゴイサギを小さくしたような蒼いサギを見つけました。このとき私はまだこのサギが何という名前のサギかはわかっていませんでしたが、とりあえず初めて見るサギであることは間違いなさそうです。その場で撮れるだけ写真を撮ってホテルに戻り、持参していた図鑑で調べてみると、このサギはLittle Heronという種であることがわかりました。
さてこのLittle Heronなるサギ、同時にStriated heronとも紹介されていて、こちらの名前でよくよく調べると日本でササゴイと呼ばれている種であることがわかりました。確かにいつも図鑑で見ていたササゴイと姿はよく似ている気がします。ところが海外の図鑑にあるLittle Heronは全長が40~48cmとあるのに対して、日本の図鑑はいずれも52cmとあります。52cmというと小さめのカラス程度だと思いますが、当日見たササゴイはどう見てもその二回りくらい小さく感じました。どうやら日本のササゴイとは少し違う亜種らしいことがわかってきました。
ちなみに私はタイ周辺及び東南アジアの図鑑は3種持っていて、日本の図鑑は新旧5種持っております。これらの記載を見ると、アジアのものは40~48cm x2冊、44cm x1冊.日本のものは52cm x4冊、50cm x1冊と明らかにサイズの記載に差があります。またタイの図鑑では亜種名にB.s.javanicaと書かれているので、「きっと自分の見たササゴイは日本のものとは少し違う、より小さい亜種なのだろう」と思って納得することとしました。以下、タイのバンコクで見たササゴイを紹介します。
「ササゴイ バンコク亜種」 クリックで拡大します。
タイ国バンコク
1024×682 px
2019/07/10
Nikon V1 Movie Mode A
1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6
池のほとりのササゴイ。このあとエビを突いてエサにしていました。移動するのはゆっくりですが、採餌の瞬間の動きは素早いです。
「ササゴイ 若 バンコク亜種」 クリックで拡大します。
タイ国バンコク
1024×682 px
2016/08/04
Nikon V1 Movie Mode A
1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6
ゴイサギなどと一緒で、若鳥の間は茶色い身体をしています。くちばしも下半分は黄色いですね。
さて話を国内のササゴイに向けてみましょう。手持ちの探鳥本などによれば、地元神奈川県内でもササゴイが見れる場所は川の下流(河原)などで何か所かあるようです。ただ見られるのが夏の暑い時期の鳥なので、陽射しから逃げ場のない暑い河原にただ一羽の鳥を探しに出かけるには、かなりの勇気が必要です。根性なしの私は結局時間だけが過ぎてしまうこととなりました。
結局、タイでの初見から8年も経った2024年になって、都内の公園でようやく国内のササゴイを観察することができました。そしてここからが本題となります。
この日は3羽のササゴイが目の届く範囲にいました。ところが皆、予想に反して非常に小さい。少なくとも50cmを超えるカラスレベルの大きさではないように見えます。イメージ的にはせいぜいハトを少しだけ縦に伸ばしたくらいの感じです。まあ、サギですから首は伸びますし、もしかしたら最大限首を伸ばせば52cmくらいになるのかもしれません。ただ、そういう問題でもなくて、そもそも自分の過去の記憶と比べて日・タイのサイズ差が全く感じられなかったのです。しかも見た目の色や羽模様もほぼ同じです。「一体何が違うの??」と。。
さて先に書いた図鑑表記のサイズ差は一体何なのでしょう。やっぱり日本の図鑑は鳥の首を引っ張り伸ばして測った結果なのでしょうか。。。それとも国内・外で測定基準・方法が違う?・・・謎です。
「ササゴイとアオサギ」 クリックで拡大します。
東京都
1024×682 px
2024/06/09
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
ササゴイのサイズ感がわかるようにアオサギと一緒に写っているところを一枚紹介しておきます。
国内の図鑑でアオサギを見ると、揃って全長93cmです。タイ・東南アジアの図鑑では90~98cmだったり95cmだったりという感じでここは国内外どちらも数値が似ています。どちらかというと国内表記の方がわずかに小さいくらいです。
こうやって見比べてもやっぱりササゴイは52cmの鳥には見えないなぁ。。それとも他に大きい亜種もいて、別の場所に飛来しているのでしょうか?
「ササゴイ 正面より」 クリックで拡大します。
東京都
1024×682 px
2024/06/09
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
かなり立派な足指を持っていることがわかります。ちょっとエバンゲリオンっぽくてかっこいいですね。
「東京湾のササゴイ 1、2」 クリックで拡大します。
東京都
1024×682 px
2024/06/09
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
岩の間をうろうろしてエビを食べていたようです。
「ササゴイ 飛翔」 クリックで拡大します。
東京都
1024×682 px
2024/06/09
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
ササゴイの飛翔絵です。かなり近い移動で何度か飛んでいましたので、結構身軽な感じに見えました。
観察データ
場所と回数:タイ バンコク 2、東京都 1。計3回。水辺で見かけます。タイでは木の枝で休む姿もよく見ました。
観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月1 〇
7月1 〇
8月1 〇
9月
10月0
11月0
12月0
計3回
タイ当地では留鳥のようです。日本では夏鳥(渡り鳥)なので、タイのものは違う亜種だと思われますが、定かではありません。
(トップ画像 ササゴイ 2019/07/10 V1 70-300mm タイ・バンコクにて撮影)
初出:2019/07/10
改訂:2021/08/14 サギ科へのリンクを追加、観察データを追加
全面改訂:2024/06/11 全面書き直し