Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
タカブシギ 鷹斑鷸
Takabushigi
Tringa glareola
Wood Sandpiper
タカブシギ チドリ目シギ科 絶滅危惧II類 VU
淡水系で見ることの多い
小型の地味なシギ
淡水系で見ることの多い
小型の地味なシギ
タカブシギについて
シギは水辺の鳥です。ただ「シギ」「水辺」と一口で言っても、実際には様々な形をしたくちばしを持つシギがいて、棲む場所も海水と淡水の違いや、もっと細かく言えば砂質と泥質のような地面の質の違いもあります。シギ類はほぼ皆が渡り鳥ですから、日本だけでは中々見えてこない気温環境(熱帯雨林からタイガや極地まで)の違いなどもあるでしょう。それぞれの生息環境でくちばしの形も進化したのでしょうから、シギの姿を見る度に「この鳥はどこから来てどこにいくのだろう?」と想像が膨らみます。
タカブシギはそのような中でもあまり特徴のない、割と中庸な姿をしたシギです。ぱっと見、磯場に多いイソシギと姿もサイズもよく似ています。図鑑で見るとタカブシギは20cm、イソシギも20cm、少し大きいくて似た感じの姿のキアシシギは25cmです。ただ、私などはシギを見始めた頃、イソシギとキアシシギとアオアシシギ(35cm)さえ見分けることも難しかったので、サイズが分かったとしても似た姿のシギを見分けるのは難しいかもしれません。
タカブシギは日本では冬鳥で、淡水(泥質)の環境で見かけるシギです。浅くて流れの緩くて浅い泥質の岸をもつ川や、冬でも水が張られたような休耕田、ハス田のような場所を好むようです。いるところにはいて、そこまで苦労しなくても観察は可能な鳥ですが、全国的には数が少なく、国内レッドリストでもVUに指定されています。
「タカブシギ 冬羽 1」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2022/01/03
Nikon D7100 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
正月に見たタカブシギ。この絵は車の中から撮っていますので距離もそこそこに近く、サンヨンに1.4xでも羽模様が分かるくらいに写すことができました。
タカブシギのタカブは漢字で鷹斑と書きます。背中の茶色に白い縁取り模様が鷹の羽根っぽいイメージで付けられた名前ということです。
「タカブシギ 冬羽 2」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2020/02/01
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
撮影時間は13:48と昼下がりですが、まだ真冬の頃なので陽の当たりが浅いですね。
この絵も車の中からの手持ち撮影です。
「川のタカブシギ」 クリックで拡大します。
岡山県笠岡市
1024×682 px
2013/12/28
Nikon V1 Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4
タカブシギ初見のときの記録です。冬枯れしたススキが川に反射して川面が金色に輝き、今もお気に入りの一枚です。
機材がV1とオールドサンヨンなため、かなりノイジーな絵ですが、逆に絵画的で面白いのかも。。と思ってあらためて撮影条件を見てみたら、何故かISO1600にSSが1/10,000となっていました。ちょっとよくわからない設定ですね。上手にすればもっときれいな絵にできたはず。。我ながら情けない。反省。。でもまあ、過ぎたことを悔やんでも仕方なく、よくあることですし。。(結局反省なし・・以下ループ)
「タカブシギの翼」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2022/01/03
Nikon D7100 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
渡り鳥ですから翼は大きく立派です。いかにも飛ぶのが上手そうな翼だと思います。
「タカブシギ 夏羽?」 クリックで拡大します。
茨城県稲敷市
1024×682 px
2021/04/30
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
珍しくGWに撮ったタカブシギです。タカブシギは冬羽と夏羽の差があまりありません。敢えて違いを言えば、夏羽の方が背中の白斑が目立つ感じでしょうか。この絵は上の冬羽の絵と比べても「どう?」見たいな差しかありませんし、夏羽といえるかは微妙です。ただ日本でタカブシギの真夏の姿を見るのは難しいので、この時期の絵は自分的には結構貴重な記録だったりします。
観察データ
場所と回数:岡山県 1、茨城県 6、計7回。岡山では川で、茨城県ではいずれも稲やハスが植えられていない時期に水が張られたたんぼにて。流れのない浅い泥質の水辺を好むように思えます。開けた場所にいる一方であまり人にフレンドリーでないため、できれば車内から撮るのが有利かもしれません。初見で川にいるのを撮ったときはススキの壁の間から撮っています。
観察月と回数:
1月2 〇〇
2月2 〇〇
3月0
4月2 〇〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月1 〇
計7回
一般的には旅鳥とされているようですが、冬の間居ついている個体も多いように思います。私の場合は冬の稲敷市で見たカウントが多い一方、「同シーズンなら同じ場所でいつも見られる」みたいな感覚は持てていませんので、近場で常に細かく移動している鳥なのかもしれません。
私の記録は12/28~4/28の間で見ています。これだけ見れば真冬にやってきて、春に戻る感じですが、3月の記録が途切れているので、冬にいるグループと春に移動するグループは別なのかもしれませんし、もっと観察数が増えないと本当のところはわからないですね。
(トップ画像 タカブシギ 2013/12/28 V1 300mm F4 岡山県笠岡市)
初出:2016/02/14
改訂:2020/03/04
改訂:2021/09/12 シギ科へのリンクを追加。観察データの追加
改訂:2022/03/28 静止画を差し替え。観察データの更新
全面改訂:2024/07/11 全面書き直し