Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
ソリハシシギ 反嘴鴫
Sorihashishigi
Xenus cinereus
Terek Sandpiper
ソリハシシギ チドリ目シギ科
上に反り返ったクチバシをもつ
やや小柄な干潟のシギ
上に反り返ったクチバシをもつ
やや小柄な干潟のシギ
ソリハシシギの紹介
ソリハシシギはクチバシが上側に反りかえった、見た目が面白い中型のシギです。中型といってもくちばしの占める割合が大きいので、見た目の印象は「中の小」といった感じでしょうか。
ソリハシシギだけに限ることではありませんが、くちばしが長いシギはおよそ干潟での餌捕りに合った形態のくちばしになっていると思われます。この手のシギは同じ海辺でも大波が押し寄せる砂浜で見ることは少ないです。(私の記録で見た場合、外海の砂浜で記録のあるくちばしの長いシギは、下に向かって湾曲したくちばしを持つチュウシャクシギくらいのもので、このチュウシャクシギにしても明らかに干潟で見る確率の方が高いです)
くちばしの長さと砂質の両方で考えてみると、おそらく砂浜より干潟の方により深いところに棲む餌類が多いのでないかと予想しています。
ソリハシシギは前述のチュウシャクシギとは逆に、くちばしが上側に向かって反りあがっている珍しいシギです。同じように上側に反ったくちばしをもつシギとしては、オオソリハシシギやアオアシシギなども挙げられまが、この中で最も反り上がりが大きく見えるのがソリハシシギです。
ところで、「上反りのソリハシシギと、下反りのチュウシャクシギで干潟のエサ取りの仕草にはどういう違いがあるの?」と気になるところですが、私が見る限りあまり違いがあるように思えません。両者ともカニを捕ることが多いですし、クチバシを砂にズボッと刺すのもほぼ垂直に入っているように見えます。これはもっと大型のオオソリハシシギとホウロクシギ、ダイシャクシギなどでも同じような感じなので、何故種によって上反りになったり下反りになったりしたのか、私的には未だに謎です。
「ソリハシシギ 冬羽」 クリックで拡大します。
千葉県船橋市
1024×682 px
2017/10/01
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
東京湾のソリハシシギ。紅い足が目立ちます。
「ソリハシシギ 夏羽」 クリックで拡大します。
広島県福山市
1024×682 px
2015/08/26
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
瀬戸内のソリハシシギ。夏羽は背中に黒い羽根が混じります。斑になっているのは生え変わりの時期だからでしょうか。
「ソリハシシギ 丸太の上」 クリックで拡大します。
広島県福山市
1024×682 px
2014/09/06
Nikon D200 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
瀬戸内海に浮かんだ丸太の上で休憩中のソリハシシギ。翼の下面も腹も白いです。足指が結構長いのがわかります。
「ソリハシシギ 小群れ」 クリックで拡大します。
広島県福山市
1024×682 px
2015/09/03
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
瀬戸内の干潟に渡りで訪れた小さな群れ。この時期はまだ夏羽が混じっていて、衣替え中のようです。
「ソリハシシギ 飛翔 有明海」 クリックで拡大します。
佐賀県県
1024×682 px
2014/08/13
Nikon D200 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
真夏の有明海で撮った記録です。左に三羽、右に一羽のソリハシシギが見えます。ど真ん中のシギもソリハシシギっぽく見えますが、こちらはサイズからしておそらくアオアシシギだろうと思います。その他の腹黒さんはハマシギです。
「ソリハシシギ 飛翔 東京湾」 クリックで拡大します。
千葉県船橋市
1024×682 px
2017/10/01
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
東京湾で見るソリハシシギはぼっちが多い気がします。キアシシギとソリハシシギはときどき見るものの、大抵一羽か二羽くらいで、ちょっと寂しい感じです。
観察データ
場所と回数:佐賀県 有明海 2、瀬戸内の干潟 7、千葉県 東京湾 3、計12回。全て波が穏やかな海の干潟で見ています。
観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月1 〇
6月1 〇
7月0
8月3 〇〇〇
9月5 〇〇〇〇〇
10月2 〇〇
11月0
12月0
計12回
初夏と初秋の渡り鳥です。記録を見る限り繁殖時期で見ない期間が7月のみと短いので、繁殖にはまだ未熟な若鳥が早めに移動していたり、中継地で留まっているからなのかもしれません。
私の記録は、初夏 5/4~6/2のおよそ一月の間、初秋 8/13~10/3の1.5か月の間に集中しています。5月と9月が狙い目ではないでしょうか。
(トップ画像 ソリハシシギ 2017/10/01 D500 500mm f4 千葉県東京湾)
初出:2015/09/05
全面改訂:2024/04/20 全面書き直し