オバシギ 尾羽鷸
Obashigi
Calidris tenuirostris

オバシギ チドリ目シギ科
 ザ・シギ的な姿をした
 地味でおっとりした感じの干潟のシギ


オバシギについて



 オバシギは日本では旅鳥です。9回ある私の観察記録で春は4月に一度、残りは皆秋の渡りで8月~10月の間に集中しています。いつも一度に見る数は片手で数えられるくらいまでで、どちらかというと数は少ない鳥だと思います。
 観察場所は有明海、瀬戸内海、東京湾と広くでみていて、いずれも干潟での観察となっています。大きな波が押し寄せるような外海の砂浜では、今のところ見たことがありません。
 東京湾で秋に見る個体は幼鳥が多いようです。8月くらいの成鳥はまだ夏羽が残っていると思うのですが、東京湾ではまだ赤色系の混ざった成鳥を見たことがありません。
 姿サイズは典型的なシギの姿と言った感じでしょうか。頭より少し長いクチバシで、足は適度に長くて指から爪は大き目、夏羽を除けば幼鳥を含めて地味なモノトーンな羽姿をしています。夏羽は背中から翼にかけて赤茶色が混ざり、赤茶と白黒三食の三毛猫っぽい色目となります。






「オバシギ 夏羽」 クリックで拡大します。

オバシギ 夏羽

千葉県船橋市
1024x682 px
2014/08/13
Nikon D200 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 有明海でオバシギを初めて見たときの記録です。遠くから撮ったものなので、100%近くに拡大してみました。真ん中に見える大き目のシギがオバシギで、石の上のと左下の背中だけ見えるものを含めて4羽写っています。小型で腹黒なのがハマシギで、左下から2番目で胸から顔まで半分見えているお腹が赤っぽいのはコオバシギです。
 



「オバシギ 夏羽換羽中 ?」 クリックで拡大します。

ソリハシシギ 夏羽換羽中 ?

広島県福山市
1024x682 px
2015/04/19
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 瀬戸内オバシギ。ハマシギの群れに一羽だけ混ざっていました。この日オバシギが岸辺を駆ける姿を初めて見たのですが、走るのは遅くはないけど、超早いというほどでもなく、丸っこい体形も合わさってどことなくユーモラスな感じを受けました。
 時期的に夏羽への換羽中かと思います。佐賀で真夏に見たもののようにはっきりとした赤茶色の斑にはなっていませんが、冬羽よりはだいぶと茶系が強くて明るいイメージになっています。
 



「オバシギ 丸太の上」 クリックで拡大します。

ソリハシシギ 丸太の上

ソリハシシギ 丸太の上 飛翔

広島県福山市
1024x682 px
2014/10/05
Nikon D200 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 瀬戸内海に浮かんだ丸太の上で、なぜかホウロクシギと並んでいたオバシギ。2枚目の方は色々ブレていますが、オバシギは腰が白いのがわかりますでしょうか。
 羽の色目的に、当年生まれの幼鳥の可能性が高いように思えます。
 



「オバシギ 東京湾 幼鳥」 クリックで拡大します。

オバシギ 東京湾 幼鳥 1

オバシギ 東京湾 幼鳥 2

オバシギ 東京湾 幼鳥 小群れ

千葉県
1024x682 px
2022/09/10
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 東京湾の干潟で見つけたオバシギたち。羽色が濃いのでおそらく皆今年生まれの幼鳥だと思われます。
 3枚目の3羽いる真ん中の個体が口に入れているのはアサリと思われます。オバシギは貝が大好きで、買いを丸のみしている記録がたくさん残っていました。
 




観察データ

場所と回数:佐賀県 有明海 2、瀬戸内の干潟 3、千葉県 東京湾 4、計9回。全て波が穏やかな海の干潟で見ています。いくつかの絵に貝をエサに採っている姿が見えたので、潮干狩りできそうな干潟に出かけてみるのがよいと思います。

観察月と回数:
1月 0
2月 0
3月 0
4月 1 〇
5月 0
6月 0
7月 0
8月 5 〇〇〇〇〇
9月 1 〇
10月 2 〇〇
11月 0
12月 0
計9回
初夏と初秋の渡り鳥です。関東での秋の渡りは幼鳥が多いように思えます。
私の記録は、初夏 4/19、秋(晩夏以降)は8/13~10/21の間で見ています。



(トップ画像 オバシギ 2023/08/26 D500 500mm f4 千葉県東京湾)


 初出:2015/04/29
 改訂:2025/11/12 全面改訂