ムクドリ 椋鳥
Mukudori
Spodiopsar cineraceus
White-cheeked Starling

ムクドリ スズメ目ムクドリ科
 大きな群れでも見られる
 中型で灰色をした地味な鳥


ムクドリについて



 ムクドリは街中で普通に見られる中型の鳥です。よく道端の電線にすし詰めになって並んでいたり、公園の芝生を歩き回っていたりするので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。ただほぼグレー一色で地味な姿をしており、これといった特徴のないため、一般人からすれば「ガ体の良いスズメ ? 」的な捉え方で終わっているかもしれません。
 確実に見分けるなら、上記条件にプラスして飛ぶ姿の腰に注目してください。ムクドリは全体的に濃い灰色をしていますが、腰のみが白いため、飛んで逃げるところを見ればワンポイントが入っていて非常に分かりやすいです。
 群れの数は田舎より街の方が大きくなるようで、駅前のような市街地で時には数千という大きな群れになることがあります。これだけの数になれば(だみ声の)騒ぎ声やフン害で厄介者扱いされることも少なくありません。よく見れば、まるでアニメ風に描かれたようなくりくりした目をした可愛い(憎めない)顔なのに、色目が地味で声もうるさいため、人からは敬遠されがちでかなり損をしている鳥だと思います。



「ムクドリ ♂ 」 クリックで拡大します。

ムクドリ 1

ムクドリ 2




東京都、横浜市
1024x682 px
2015/12/28,2015/12/06
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 上2枚はどちらも ♂ です。2枚を記録した2015年年末と言えば、私自身が横浜に引っ越してきて間もない頃でした。当時はどこに行けば野鳥に出会えるのかがわからないまま、とりあえず近場の公園などに出かけていました。関東でも水鳥なら近場で多彩な種に出会えるのですが、「小鳥はまじで少ないなぁ」などとブツブツ言いながら、結局毎回ムクドリに助けてもらっておりました。懐かしい思い出です




「ムクドリ ♀ と若鳥」 クリックで拡大します。

ムクドリ ♀ と若鳥


ムクドリ ♀ と若鳥


東京都
1024x682 px
2024/06/09
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 こちらも都内の公園で撮ったムクドリです。1名目の左が ♀ で、その右側のは若鳥だと思われます。♀ はのどから胸がグレーで、全体的にコントラストが弱い色目です。

 2枚目は若鳥です。上の絵と同じ個体かどうかは不明です。
 コントラストが弱いところは ♀ 風ですが、頬の白色部が小ぢんまりとしているのが若鳥の特徴です。クチバシの黄色も弱い感じですね。




「ムクドリ 群れの飛翔」 クリックで拡大します。

ムクドリ 群れの飛翔


茨城県稲敷市
1024x682 px
2023/11/25
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 ムクドリはバタバタと細かな羽ばたきで直線的に飛ぶ場合が多いです。体が丸っこいこともあって、印象としては飛ぶのはあまり得意でなさそうに感じます。また、群れがどこかに止まろうとするとき、羽をデルタ機みたいな三角形にして、着地点の周りを滑空しつつ降りていくことが多いです。どの鳥もそうですが、一見地味なムクドリも、飛ぶこと一つ取っても「この鳥らしい」特徴があって面白いです。





観察データ

場所と回数:中国地方から東北までの平地にて、計42回。平地なら田畑はもちろん、街でも海辺でもどこでも見ます。開けた地面で昆虫などをエサにする鳥なので、逆に山の中での記録はありません。

他のポピュラーな鳥に比べて撮影データが少ないことの理由は、私が街の公園で鳥見をすることが少ないためかと思います。ちなみに私のムクドリの記録は半分以上が農地のものになっています。

観察月と回数:
1月7 〇〇〇〇〇〇〇
2月4 〇〇〇〇
3月6 〇〇〇〇〇〇
4月1 〇
5月3 〇〇〇
6月3 〇〇〇
7月2 〇〇
8月0
9月1 〇
10月4 〇〇〇〇
11月5 〇〇〇〇〇
12月6 〇〇〇〇〇〇
計42回
 留鳥もしくは漂鳥です。夏のデータが少ない理由は単純で、私自身、暑いときは涼しい山の中でしか鳥見をしないためです。(歳を取るほどそうなってしまいますね)



 (トップ画像 ムクドリ 2016/05/14 横浜市 D7100 + 150-600mm/F5.6-6.3 )

 初出:2025/08/15