シマセンニュウ 島仙入
Shimasennyu
Locustella ochotensis
Middendorff's grasshopper warbler

シマセンニュウ スズメ目センニュウ科
北海道の夏の草原にいる
声が元気な小鳥




シマセンニュウについて

 シマセンニュウはウチヤマセンニュウと近縁で、姿もよく似る小鳥です。ウチヤマセンニュウと同じく海に近い草原で繁殖しますが、シマセンニュウは北海道の道北や道東に多くいます。一方、ウチヤマセンニュウは南の海の島嶼にしかいません。ちなみに、今から40年ほど前の1985年頃に出された図鑑では、ウチヤマセンニュウはシマセンニュウの亜種(ウチヤマセンニュウもしくはウチヤマシマセンニュウ)として紹介されています。ですから、両者は似ていて当然とも言えます。自身の両方の記録動画を見返しても、声も姿もそっくりさんです。よくよく見れば確かに微妙に違いますが、ぱっと見で見分けるのはまず難しいと思います。繁殖時期は生息場所が離れているので、この時期にそれぞれの場所で見られればそれだけでまず確かかと。。





「道東のシマセンニュウ 1、2」 クリックで拡大します。

道東のシマセンニュウ 1


道東のシマセンニュウ 2

北海道道東
1024x682 px
2025/06/28
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 2025年の夏、道東へ旅していくつかの原生花園に観察に行きました。周囲を見渡したとき、姿で一番目立つ野鳥はノビタキですが、声で一番目立ったのはこのシマセンニュウでした。
 センニュウ類は丁度一年前の2024年に出かけた道北各地でもよく見られると聞いていました。ところが実際はそんな甘い話はなく、全くの空振りでしたので、今回当地でシマセンニュウから受けた大歓迎にはとても感激した次第です。

 上の二つの絵はどちらも午後の真昼間と言っていい時間帯に撮ったものです。ウチヤマセンニュウは早朝しか姿を現して鳴いてくれることがなかったので、シマセンニュウは思っていたより見つけやすい小鳥だと感じました。
 



「朝霧の中のシマセンニュウ」 クリックで拡大します。

朝霧の中のシマセンニュウ

北海道道東
1024x682 px
2025/06/30
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 早朝4時38分のタイムスタンプです。道東では日本一早い(?)日の出を見に岬方面へ出かけましたが、この日はあいにくの霧で辺りは真っ白。こちらはそんな私たちを現場で励ましてくれたシマセンニュウの絵です。
 シマセンニュウは雌雄同色ですが、鳴くのは ♂ くんのみということなので、この絵の個体も ♂ くんとなります。基本、草の中に紛れている(潜入)鳥ですから鳴かない ♀ を見るのは至難の業となります。
 



「シマセンニュウ 飛翔」 クリックで拡大します。

シマセンニュウ 飛翔

北海道道東
1024x682 px
2025/06/28
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x


 シマセンニュウが飛んだところです。シマセンニュウは尾羽の外側先端に白斑があるのが特徴の一つとなります。(ウチヤマセンニュウにもありますが、より目立たない感じです)
 この鳥が止まっていた白い花は、道東の道沿いにたくさん咲いているエゾニュウというシシウドの仲間だと思われます。地味な小鳥なので一緒に撮ると絵が少し華やぎますね。




観察データ

場所と回数:北海道道東 2、計2回。海沿いの草原、湿地で見ています。道東ではあちこちで声を聞いたので、観察機会は比較的多い小鳥だと思います。ただしあまりフレンドリーではありませんので、近づくのは難しいと思います。

観察月と回数:
1月 0
2月 0
3月 0
4月 0
5月 0
6月 2 〇〇
7月 0
8月 0
9月 0
10月 0
11月 0
12月 0
計2回

 夏鳥です。

 
 (トップ画像 シマセンニュウ Z6II + 400mm/F4.5 + 1.4x 2025/06/28 北海道道東)
 
 初出:2025/10/10