Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
ビロードキンクロ 天鵞絨金黒
Birodokinkuro
Melanitta fusca
Velvet scoter
ビロードキンクロ カモ目カモ科
白い勾玉模様の目の隈をもつ
沖に浮かぶ大型で黒いカモ
白い勾玉模様の目の隈をもつ
沖に浮かぶ大型で黒いカモ
ビロードキンクロについて
ビロードキンクロは世界的にはレッドリストのVUに指定されている潜水型のカモです。日本国内のレッドリストでは不記載なので「珍しい」とまではいかないものの、やはり他のカモと比べて観察の機会が少ない種だと感じます。
私は九十九里浜でよく見かけます。東京湾の奥でも複数回見ていますが、いずれもスズガモの群れの中に混じり混んでいる感じで、数も単独でしか見ていません。また、九十九里浜でも東京湾でも、陸から遠いところにしかいないので近距離で観察する機会はほとんどありません。海が荒れた後に港や波止近辺に寄っていることがあるので、波に気を付けつつ観察に行けば「ラッキー」があるかもしれません。
「ビロードキンクロ 沖の小群れ」 クリックで拡大します。

千葉県九十九里浜
2025/02/15
1024x682 px
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
ビロードキンクロは大抵の場合100mくらいは離れた沖を探さないと見つかりません。一方この日は、50m少しくらいの距離まで近づいていたのでかなりラッキーな方だったと思います。
とはいえ、この絵も実際は50%くらいまで拡大トリミングしています。九十九里浜には他にもクロガモやシノリガモのような海水潜水ガモがいますが、鳥見のものからすればビロードキンクロが一番の難敵です。
こちらはZ6IIと400mmF4.5s+1.4xを初めて持って出かけた日の写真です。ファインダーを100%に拡大してマニュアルでピント合わせしていますから、ピントだけはばっちり合わせることができました。なので拡大トリミングしてもまだ見られる感じでしょうか。
「ビロードキンクロ ペア」 クリックで拡大します。

千葉県九十九里浜
2025/02/15
1024x682 px
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
ビロードキンクロの成鳥と思われるペアです。♂ くんの赤い足が少し見えますが、赤いのは ♂ のみで ♀ は黒いです。♂ は成鳥となるとクチバシ付け根のこぶがよく目立つようになります。
「ビロードキンクロ ♀ 1、2」 クリックで拡大します。


千葉県九十九里浜
2020/01/11
1024x682 px
800x533 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
クロガモの群れに混じって、割と近づいてくれた ♀ です。
♀ は頬が白い個体が多いようですが、皆が皆白いわけでもなく、若鳥との見分けが難しいと感じます。
「ビロードキンクロ 若」 クリックで拡大します。

千葉県銚子市
2020/02/23
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
前日の天候が荒れていたためか、この日は港内に水鳥達が集まっていました。(水面が茶色っぽいのはそのためです)そこで見つけたビロードキンクロの若鳥 ♂ くん。たぶん30mくらいの距離間だったと思います。
ビロードキンクロは普段沖でしか見られないので、この日の観察はラッキーでした。まだクチバシ付け根のこぶが小さく、目の下の白い勾玉模様も現れていませんので、1年目の冬の個体ではないかと思われます。
「ビロードキンクロ 飛翔」 クリックで拡大します。

千葉県九十九里浜
2024/02/17
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
鳥が小さいですが、ビロードキンクロの ♂ 成鳥です。
ビロードキンクロの「キンクロ」という部分は「キンクロハジロみたいな白い翼帯があるという意味の略らしい」との説があります。でもそれが本当なら逆に「キンクロ」部分よりは「ハジロ」側を取って、「ビロードハジロ」にすれば良かったんじゃないの?とか思うんですが、さて真相はどうなんでしょうか。
「ビロードキンクロ 羽ばたき」 クリックで拡大します。

千葉県九十九里浜
2025/02/15
1024x682 px
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S +
Z TELECONVERTER TC-1.4x
ビロードキンクロの ♀ 成鳥が羽ばたきをしたところ。分かりやすいように50%くらいまで拡大トリミングしています。
翼を広げるとこのように白い翼帯が目立ちます。すぐ向こうを横切っているのは ♂ の若鳥ですね。目の白色模様なまだないけれど、クチバシはオレンジ色をしているので ♀ ではありません。
観察データ
場所と回数:千葉県九十九里浜 12(銚子含む)、千葉県東京湾 3、計15回。基本的には外海にいる海ガモだと思います。東京湾でもときどき見ているものの、いずれもポツンと一羽だけですので、スズガモの群れに迷って入り込んだような印象です。大抵は外海でもかなり沖にいてクロガモと見分けるのが難しことがありますが、クロガモよりは一回り大きいのと、意外と白い目の模様が目立つので、10倍程度の望遠鏡があれば割と判別できると思います。
観察月と回数:
1月5 〇〇〇〇〇
2月6 〇〇〇〇〇〇
3月1 〇
4月0
5月0
6月1 〇
7月0
8月0
9月0
10月0
11月2 〇〇
12月0
計15回
冬鳥です。11月1日から3月20日までの間で見ています。6月の一回は2020年の記録ですが、この年の冬はクロガモが異常に多かった年です。クロガモも同時にみているので、帰りそびれたクロガモにつられて残った個体だったような気がします。
観察回数はそれなりにありますが、大抵ははるか遠方の米粒ですので、回数以上の希少感がある海ガモです。未だ ♂ 成鳥を間近で観察したことがないので、その機会を求めて毎冬九十九里浜に通っています。
(トップ画像 クロガモ ♂ 2025/02/15 Z6II 400mm/F4.5×1.4テレコン 九十九里浜)
初出:2025/02/23