クロガモ 黒鴨
Kurogamo
Melanitta nigra
Black scoter

クロガモ カモ目カモ科
 荒波大好き!
 サーファーとお友達な真っ黒なカモ

   

クロガモについて



 クロガモは主に貝を飲み込んで餌とする海ガモです。潜水が得意で荒波もへっちゃらな元気もの。私はこのカモを東京湾では一度も見たことがありませんでしたので、おそらく外海が専門なカモだと思われます。
 九十九里浜でよく見かけ、運が良ければ同じく荒波大好きなシノリガモと一緒に見られると思います。







「荒波に乗るクロガモ」 クリックで拡大します。

荒波に乗るクロガモ 1


千葉県九十九里浜
2019/02/10
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 初めてクロガモを見た日の記録です。前日の天気が荒れ気味だったため大きな波が繰り返す環境の中、平然と浮かんでいるクロガモの姿を初見で観察できたのは、今考えるととてもラッキーだったと思います。このときの海の光景は今も脳裏に強烈に焼き付けられていています。以後冬の九十九里浜に魅せられて、海鳥観察のために遠路通うようになりました。
 



「波間のクロガモ1,2」 クリックで拡大します。

波間のクロガモ 1

波間のクロガモ 2


千葉県九十九里浜
2024/02/17
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 1枚目:久しぶりにクロガモの群れが近いところにやってきてくれました。ここは思ったより遠浅の海のようで、なんとなくカモ達の下に海底が透けて見えている感じがします。
 2枚目:同じ軍団を違うアングルで。中央の個体は鼻先がオレンジに近い色になっていますが、繁殖期の色なのかな?
 これらの絵、♂ 7羽に対して ♀ 1羽のみ。遠くの他の群れを見ても大体 ♂ が大勢を占めているように見えます。理由は知りませんが、シノリガモやビロードキンクロもそんな感じです。♀ はどこか離れたところで固まっているのでしょうか?同じ日に見たコガモやマガモはそんなことなかったのですけどね。「海ガモの不思議」の一つです。
 



「クロガモ ♂ ♀ 若 」 クリックで拡大します。

クロガモ


クロガモ ♀


クロガモ 若



千葉県九十九里浜
♂、♀ 2020/01/11
若 2020/02/01
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
♂、♀ AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
若 AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 ♂ 全身真っ黒でくちばしの上部にオレンジ色のふくらみがある。(まず見間違うことはない)
 ♀ 全身が茶色で頬から喉までが白っぽい。クチバシは黒一色
 若 色目は ♀ にそっくりだが、クチバシ上部に黄色いふくらみがある。
 ♀ と 若 はかなり似ていますが、クチバシをよく観察すれば見分けはできると思います。

 


「クロガモ ♂ 飛翔」 クリックで拡大します。

クロガモ ♂ 飛翔


千葉県九十九里浜
2022/03/20
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 クロガモはこれまであまり大きな群れになっているところを見たことがありません。大きい群れでもせいぜい数十羽前半くらいまででしょうか。なので飛翔姿も単独から10数羽程度が多いと思います。またあまり高くは飛びあがらず、水面ぎりぎりを一直線に飛ぶ姿をよく見かけます。
 ここで紹介したクロガモの飛翔絵は珍しくそこそこ高いところを飛んでいますが、おそらく過去見た最高レベルの高さかと思います。自分的には割と珍しい絵なので飾らせてもらいました。
 



「クロガモとスナメリ」 クリックで拡大します。

クロガモとスナメリ


千葉県九十九里浜
2024/01/06
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 荒波のクロガモを観察したくて九十九里浜にでかけました。かなり沖にクロガモの群れが見えたので、シャッターを切っていると画面の中に大きなグレーの姿が海面に一瞬浮かび上がりました。顔ははっきりと映っていませんが、他の絵も見てみると背中がツルっとしつつ、ヒレはないものの少しだけ細長く隆起しているのが見えるのでスナメリだと思われます。このときカモ達は慌てもせずじっとしていたので、たぶん普段から襲われることはないのでしょうね。
 ちなみにスナメリの上で白い点のように写っているのはボッチで漂っていたアビの頭部です。
 
 



観察データ

場所と回数:九十九里浜 15、宮城の海 1、計16回。全て外海で見ています。二枚貝が主食なのようなので、九十九里浜のような遠浅の砂浜で探すのがよいと思います。ただ岸から遠くにいることが多いので、観察には双眼鏡や望遠鏡が必須です。

観察月と回数:

1月6 〇〇〇〇〇〇
2月4 〇〇〇〇
3月3 〇〇〇
4月1 〇
5月0
6月1 〇
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月1 〇
計16回

冬鳥です。12月23日から6月6日までの間で見ています。6月の一回は2020年の記録ですが、この年の冬はクロガモが異常に多かった年です。なので若かなにかが帰りそびれた個体だったような気がします。12月の記録も宮城の記録なので、九十九里浜ではおよそ1~4月で見ていることとなります。真冬の荒海が一番似合うカモだと思います。
 九十九里浜だと、天気が荒れてから収まって2日目くらい、空がきれいに晴れたようなタイミングで、足場の良い突堤などに行けば、「青い海と適度に荒れた波」という最高のシチュエーションで海ガモ類が観察できるのでお勧めします。(そのようなチャンス、タイミングは一冬で何度もありませんが、見に行くだけの価値はあると思います。私は過去2度ほど経験していますが最高に楽しかったです)



 (トップ画像 クロガモ ♂ 2020/02/01 D500 500mm/F4×1.4テレコン 九十九里浜)

 初出:2019/02/17
 改訂:2019/05/29 観察記録を改訂
 改訂:2019/12/31 ♀の飛翔絵を追加。観察データを改訂
 改訂:2020/01/12 ♂、♀、若の画像を追加、動画にアップ絵を追加
改訂:2021/08/11 カモ科(潜水採餌型種)へのリンクを追加、観察データを更新
 全面改訂:2024/01/04
 改訂:2019/05/29 静止画を一枚追加、観察記録を改訂
 改訂:2024/02/12 群れの絵を差し替え
 改訂:2024/03/27 群れの絵と飛翔絵を差し替え