タヒバリ 田雲雀
Tahibari
Anthus spinoletta
Water Pipit

タヒバリ スズメ目セキレイ科
 ヒバリとは名がつくものの
 実際にはセキレイの仲間の茶色い小鳥

   

タヒバリの紹介



 タヒバリは「ヒバリ」と名がつくものの、実のところはセキレイ科の小鳥です。本州では主に冬鳥で、寒い時期の田畑や海岸べりで見る地味な小鳥です。ちなみに仲間の「〇〇セキレイ」たちは尾羽を上下にフリフリしますが、タヒバリはフリません。なので近くにいてもほとんど目立ちません。冬の間にしかみないので、鳴き声を聞くこともなく、はたして名前にあるヒバリのように鳴くのかもわかりません。
 かように地味で無名な小鳥ですが、私のような冬の田畑や磯べりが好きな人間には結構目に入る小鳥です。居場所さえ知れば、出会いの難易度は低い部類の小鳥ではないかと思います。
 姿・色目は同じ科のビンズイととてもよく似ています。敢えて違いあげれば、胸の模様がタヒバリの方が大きく粗い感じでしょうか。もっともビンズイは夏山の小鳥で、タヒバリは冬の平地から水辺の小鳥ですから、そこさえ押さえておけば間違うことはないと思います。
   




「タヒバリ 秋」 クリックで拡大します。

タヒバリ 秋

埼玉県川越市
2024/11/30
1024×682 px
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 埼玉の池の近くで見つけたタヒバリ。まだ11月なので完全な冬羽姿ではないように思えます。
 


「タヒバリ 冬の磯場」 クリックで拡大します。

タヒバリ 冬の磯場

神奈川県三浦市
1024×682 px
2022/02/23
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 三浦半島に海鳥を観察しに行ったところ、近くの岩場でタヒバリを見つけました。ここでタヒバリと出会うのは2度目です。一体何をエサにしているのでしょうか。

 

「タヒバリ 冬の田んぼ」 クリックで拡大します。

タヒバリ 冬の田んぼ

広島県福山市
1024×682 px
2015/02/17
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3


 福山時代の記録です。田んぼといっても稲作の田んぼではなくてクワイ畑の田んぼです。この日は寒い朝で霜が降りていました。隣にいたタシギのように泥を掘るわけではないので、凍った地面でエサを探すのは大変そうに見えました。それでもこの地で越冬するのは意味があるのでしょうね。

 

「タヒバリ 春の蓮田」 クリックで拡大します。

タヒバリ 春の蓮田

茨城県稲敷市
1024×682 px
2022/03/20
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 春の蓮田でシギチを探していて見つけたタヒバリ。冬枯れしたハスの茎の間をあっちこっち移動していました。
 小さい絵なので、拡大はありませんが。翼の色目が分かりやすいので参考においておきます。

 



観察データ


場所と回数:広島県福山市3、神奈川県三浦市2、東京都1、茨城県稲敷市5、千葉県九十九里浜4、埼玉県川越市1、計16回。福山、稲敷、東京、川越は田んぼや湿地で。三浦市や匝瑳市では海辺の岩場・護岸で。セキレイの仲間なのでやはり水際がポイントなのでしょうか。ただ川沿いでは一度も見たことはありません。海辺も砂浜・干潟・港湾では見ていなくて、いつも磯や護岸で見ています。

観察月と回数:
1月1 〇
2月5 〇〇〇〇〇
3月5 〇〇〇〇〇
4月1 〇
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月1 〇
12月3 〇〇〇
計16回
冬鳥です。単独で見ることが多いですが、埼玉の湿地では数羽の小群れでいました。11月末から4月頭までまんべんなく見ているので、冬ならおよそ見られるのではと思います。


(トップ画像 タヒバリ 2020/12/27 D500 5000mm F4.0 神奈川県三浦市)
 
 初出:2015/05/16
 改訂:2021/01/03 静止画と観察データを追加
 全面改訂:2024/12/20