ツメナガセキレイ 爪長鶺鴒
Tsumenagasekirei
Motacilla flava
Yellow wagtail

ツメナガセキレイ スズメ目セキレイ科
 夏の道北の草原にやってくる
 黄色いセキレイ

   

ツメナガセキレイの紹介



 2024年の夏、憧れの道北へ鳥見旅行に出かけました。夏の北海道でしか見られない・見たい鳥はたくさんいますが、ツメナガセキレイは中でもメインな小鳥です。
 ツメナガセキレイは沖縄や奄美方面では冬鳥で、北海道では夏鳥。本州では旅鳥とされていますが、島嶼以外では見かけることはかなり稀です。繁殖地である夏の北海道は、姿だけでなく美しいさえずりも聞かせてくれるので、ツメナガセキレイの観察地としては一番人気な場所となります。
   




「ツメナガセキレイ ♂ 夏羽」 クリックで拡大します。

ツメナガセキレイ ♂ 夏羽

北海道稚内市
1024×682 px
2024/06/28
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 道北での初日、稚内に宿をとり、近くの湿原を散策しました。海から近い湿原とはいえ、頭上をウミネコが飛び回っているのは、やはり北海道独特な印象です。
 やがて湿原にぽつぽつと生える木の枝で黄色いセキレイを発見。キセキレイの ♀ に似た雰囲気ですが、キセキレイよりもっと黄色みが強く、身体全体のうち尾羽の長さがバランス的に少し短く感じます。
 


「ツメナガセキレイ 夏羽 緑をバックに」 クリックで拡大します。

ツメナガセキレイ 夏羽 緑をバックに

北海道稚内市
1024×682 px
2024/06/28
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 一面のシダの海に浮いて見えるツメナガセキレイ。シダはヤマドリゼンマイだと思われます。湿原に浜風が吹きつけるたび、小鳥たちは波の上の小船のように揺れていました。

 ツメナガセキレイとキセキレイとの見分けですが、足の色で見分けができます。こちらは足が黒いのがわかりますでしょうか。キセキレイの足は肉色でピンク色っぽいので、足さえ見られれば両者の見分けは簡単です。
 


「ツメナガセキレイ 飛翔」 クリックで拡大します。

ツメナガセキレイ 飛翔

北海道稚内市
1024×682 px
2024/06/28
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 ツメナガセキレイの飛翔絵です。翼は全体が濃いめのグレーで、尾羽の両端は白いですね。眉から喉、腹、下尾筒まで全て濃い黄色なので、飛ぶとよく目立ちます。





観察データ

場所と回数:北海道1、計1回。道北では2泊で3日に渡って観察したものの、残念ながらツメナガセキレイは稚内の湿原一ヶ所でしか姿をとらえることができませんでした。ただ礼文島でもたくさんのさえずりを聞きましたので、あちこちにいるのは間違いないと思います。もう少し目立つところに出てきてくれるものかと思っていましたが、わりとシャイな小鳥なようです。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月0
6月1  〇
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
計1回
夏の道北で見られる小鳥です。南西諸島では旅鳥もしくは冬鳥。それ以外の地域では旅鳥ですが、関東地域や瀬戸内沿いでは出会ったことがありません。

 (トップ画像 ツメナガセキレイ 2023/06/28 D500 300mm/F4.0 + 1.4x 北海道稚内市)

 初出:2024/11/17