ビンズイ 便追
Binzui
Anthus hodgsoni
Olive-backed Pipit

ビンズイ スズメ目セキレイ科
高山で鳴く
 茶色い小鳥


ビンズイの紹介



 ビンズイはセキレイ科の小鳥です。ただ「〇〇セキレイ」と名の付く小鳥と比べると、見た目的にもかなり違った印象を受ける小鳥です。
 「〇〇セキレイ」たちは基本的に水辺にいますが、ビンズイは高山の針葉樹近辺で見ることが多いです。私は福山市で一度だけ春の低山にいるのを見つけたことがありますが、確実に見られるのは繁殖期となる初夏の高山です。この時期は遠目にも目立つ場所でさかんにさえずるため、見つけるのも容易になります。
 例えば富士の五合目や長野あたりの標高1,500mを超えるような山の頂付近でよく見かけます。前述の通り、繁殖期は木々の天辺や、時には峠の茶屋の屋根の上などかなり目立つ場所で、節の長い美声を聞かせてくれます。
   




「ビンズイ 夏」 クリックで拡大します。

ビンズイ 夏

長野県小県郡
2017/07/8
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3


 長野の高原道路の道沿にいたビンズイです。
 見晴らしのよい木の枝にとまって、盛んにさえずっていました。なので、おそらく ♂ だと思われます。
 


「ビンズイ 木漏れ日の中で」 クリックで拡大します。

ビンズイ 木漏れ日の中で

長野県松本市
1024x682 px
2024/08/03
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR


 真夏にトンボ観察のために長野の高原に出かけました。池を探して山の小道を歩いていると、目の前に茶色い小鳥が。「またホオジロさんですか?」とカメラを覗くと、ちょっと姿が違います。ビンズイです。自分的には、こういう木漏れ日の木々の中にいるビンズイを見るのは珍しいことでちょっと驚きました。
 思えば福山の低山でGWに見たビンズイも、こういう枝の入り組んだ茂みの中でしたので、観察のシチュエーションとしては14年ぶりくらいの経験です。時期的に繁殖期はもう終わりな頃でしたが、近くにこの夏を過ごした巣があったのかもしれませんね。

 


観察データ

場所と回数:広島県1、長野県3、静岡県4、計8回。静岡の4回は全て富士宮側の五合目近辺に登ったときの記録です。長野は標高1,400~1,600mあたりの高原や峠で出会っています。広島のみ標高200mほどの低山で、こちらはGWの時期だったので渡りの途中だったのかもしれません。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月2  〇〇
6月4  〇〇〇〇
7月1  〇
8月1  〇
9月0
10月0
11月0
12月0
計8回
西日本では冬鳥、夏に本州・四国以北の高山で繁殖する漂鳥です。ただ私は福山近辺で冬鳥としてビンズイに出会ったことはありませんでしたので、中国地方中部ではレアな印象です。

 (トップ画像 ビンズイ 2024/08/03 D500 500mm/F4.0 長野県松本市)

 初出:2017/07/17
 改訂:2024/11/17 全面作り直し