Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in yokohama,Fukuyama
ハシビロガモ 嘴広鴨
Hashibirogamo
Anas clypeata
Commons shoveler
ハシビロガモ カモ目カモ科
英語名が「ショベル」と付けられた
平たいクチバシのカモ
英語名が「ショベル」と付けられた
平たいクチバシのカモ
ハシビロガモについて
ハシビロガモはヘラ状のクチバシが特徴的な、やや小ぶりなカモです。本州では冬鳥として見られます。♂ の羽色は緑、白、黒に胸などは一部オレンジ色も重なりとても華やかです。♀ は他のカモ類と同じで、全体が茶系で地味な感じ。ただし他の茶系の ♀ ガモたちが見分けにくいのに対して、ハシビロガモは前述のとおりヘラ状の特殊なクチバシを持っているので、他のカモ類との見分けは非常に簡単です。一見してまず見間違うことはありません。
そのクチバシですが、水面付近に浮かぶ藻やプランクトンを櫛歯で濾して摂取するためにヘラ状に進化したとのこと。沖アミを櫛歯で濾していただくナガスクジラみたいな感じですね。先端が平たい方が水を掬うのに効率が良いのでしょうか。ハシビロガモの観察では、群れがクチバシを水面に突っ込みながら、皆で輪を描くようにグルグル回っている場面をよく見かけます。見ているこちらが目を廻しそうになりますが、一部ではこれを「ハシビロトルネード」と呼んでいるようです。このような食性が影響してなのでしょうか、池と川ではよく見かけますが海では見たことがありません。また渓流や清流ではまず見たことがありません。適度に濁った水がお好きなようです。。。
「ハシビロガモ ♂、♀、♀のアップ 水の上」 クリックで拡大します。
♂ 東京都 2023/12/17
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
♀、♀ アップ 共に 広島県福山市 2013/11/24
1024x682、720x480 px
Nikon V1 Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4s
+ KenkoテレコンPro1.4
1枚目、派手な顔をしているのが ♂
2枚目、3枚目、茶色いのが ♀ です。3枚目は櫛歯が見えるようにトリミングしてアップにしてみました。
♂ の絵は東京湾沿いの公園の淡水池にて。♀ の絵は私が昔住んでいた福山市の用水用のため池で撮ったものです。最初にも書きましたが、ハシビロガモは水面近くの浮遊物を掬い込んで食すことから、(そのような餌が浮いていない)きれいな水質の水辺にいるところを見たことがありません。なので、水面を取り込んでそれなりにきれいな絵を残すには、順光且つ低い体勢から撮るのがベストかと思います。ボロ隠しならぬ濁り隠しでしょうか。。
「ハシビロガモ ♂ 陸の上」 クリックで拡大します。
新潟県 2017/03/20
1024x682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
こちらは新潟県の公園で撮ったもの。前後にいて顔を背中に埋めているのはハシビロガモの ♀ です。
ハシビロガモの足はオレンジ色をしているのがわかります。ちなみにカモの仲間の足の色は半分くらいが橙系で半分は黒系です。ただヨシガモは黒でオカヨシガモは橙みたいに、似た姿だから色が同じというわけでもなく、図鑑の並びを見てもあまり規則性を感じません。何かしら足がその色になった理由が種毎にあるのでしょうけど、カモにはカモメみたいなピンク系(肉色)がいないことも含めて、ずっと不思議に感じています。
「ハシビロガモ ♂ 水浴び」 クリックで拡大します。
千葉県 2018/02/24
1024×682 px
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
ハシビロガモ ♂ が水浴びしているところです。一瞬どうなっているのか分かりにくいかと思いますが、思いっきり逆エビ反りした格好です。たくさんの色が見えて綺麗なので飾っておきます。
「ハシビロガモ 飛翔」 クリックで拡大します。
広島県福山市 2015/03/14
1024×682 px
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
「およそ「鳥」という生き物は頭が重くなりすぎると飛べなくなるので、極力そうならない進化の道を進むのだ」という話を聞いたことがあります。しかしハシビロガモはバランス的に頭でっかちで首から先が重そうに見えますね。。当人からは「余計なお世話だ」という声が聞こえてきそうですが。。。
観察データ
場所と回数:広島県 14、岡山県 7、鳥取県 2、大阪府 1、福井県 1、新潟県 1、神奈川県 1、東京都 3、千葉県 2、栃木県 1、計33回。関東以西で観察記録があります。私の場合は、不思議なことに過去東北で一度も見れていません。
水面の藻やプランクトンを食すので、少々水が濁ってみえるような池や、淀みのある川でよく見かけます。また琵琶湖をはじめとして大きな湖では観察記録がなく、見るのは小さめの池が主です。
観察月と回数:
1月4 〇〇〇〇
2月5 〇〇〇〇〇
3月9 〇〇〇〇〇〇〇〇〇
4月0
5月1 〇
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月4 〇〇〇〇
12月9 〇〇〇〇〇〇〇〇〇
計33回
冬鳥です。私の観察は11月16日~5月3日(米子水鳥公園)で記録しています。5月の米子水鳥公園は他の種でも帰りそびれたカモを見たりしているので、この観察だけは例外なのかもしれません。それ以外だと3月29日に福山で観察しているのが最遅記録です。日本へは遅めにやってきて春ギリギリで帰っていくようなイメージです。
(トップ画像 ハシビロガモ ♂ D500 500mm/F4 2018/02/24 千葉県で撮影)
初出:2014/10/01
改訂:2015/03/14 飛翔絵の差し替え
改訂:2018/04/30 トップ絵の差し替え
改訂:2021/08/12 カモ科(水面採餌型種)へのリンクを追加、観察データを追加
全面改訂:2024/03/23
改訂:2024/12/21 ♂ 画像の差し替え