Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
シロハラ 白腹
Shirohara
Turdus pallidus
Pale Thrush
シロハラ スズメ目ヒタキ科
すぐ横の藪の向こうから突然
「クピピピピ!」とけたたましく鳴いて
必死の形相で逃げ去る中型の鳥。
すぐ横の藪の向こうから突然
「クピピピピ!」とけたたましく鳴いて
必死の形相で逃げ去る中型の鳥。
シロハラについて
鳥見を始めた頃、冬に山の遊歩道を散策していると、すぐ横の藪の中から突然「クピピピピー !」と非常に大きな鳴き声を上げて飛んで逃げていく鳥に出会いました。このような経験は、自分の普段の生活圏では持ち合わせておりません。その後同じことが何度も続くので、「あれはいったい何者 ?」と非常に興味を持ちましたが、いつもいきなりの騒ぎですし、また凄い勢いで遠くの藪の中へ逃げていくので、カメラを向けることはもちろん、目視確認ももほとんどままなりません。なんとなくツグミっぽいけど、ツグミはあんなに鳴きませんし、普通にどこででも見かけます。経験を重ねるうち、奴はどうやら薄茶色の鳥だということがわかりました。いくつかのヒントを重ね合わせて図鑑で調べていくうちに、どうやらツグミの仲間のシロハラという鳥らしいことを知りました。
さて、先に書いた怖がり屋さんのシロハラは、は人のいない山奥な場所での話です。一方でこれが町中の公園になると、シロハラは全く違う顔を見せてくれます。公園のシロハラはまず、人目を気にすることなく姿を見せてくれるのです。冬の公園はおよそ枯葉で埋まっている場所がありますが、シロハラはそのような見通しのよい地面で、落ち葉を豪快にバッサバッサとくちばしで弾き飛ばします。また人を気にしないどころか、中には私の足元近くまで寄ってくる個体もいたりします。
このように、山では私を犯罪者扱いするかのように大声で叫んで逃げていた鳥が、町中では人の足元まですり寄ってくる。およそ二重人格(鳥格?)を持った鳥ですね。
「シロハラ ♂」 クリックで拡大します。
大阪市
1024×682 px
2021/03/31
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3
図鑑によると、シロハラは雌雄ほぼ同色とあります。ただよく見てみると ♂ は頭からのどまでがグレーで ♀ は頭が茶系で、胸元も淡い茶色をしているようで、微妙な違いがあるので、頑張ってみたら判別できるかもしれません。
今回自分の過去28回の撮影記録を見直していきましたところ、はっきりと「これは ♂ だろう」と思える絵はこの一枚しか見つかりませんでした。この絵は頭からのどまでの色が濃いグレーをしています。アカハラや、科は違いますがアオジなんかの雌雄差と、色目や雰囲気がよく似ていることもあり、おそらく ♂ の個体であろうと思われます。自信のほどは70%くらいでしょうか。
「シロハラ ♀」 クリックで拡大します。
山梨県
1024×682 px
2022/02/12
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
雪が降った翌日の富士山周辺。あたりは積もった雪で真っ白だったため、鳥も寒そうに膨れています。
この個体は顔が茶系で、少し眉班が出ているのと、のどあたりが淡い色をしていることから ♀ ではないかと思っています。ただ若の可能性もありますし、自信のほどは55%くらいです。
「シロハラ 若?」 クリックで拡大します。
広島県福山市
1024×682 px
2013/02/23
Nikon V1 Movie Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4s
こちらは動画からの切り取り静止画です。こちらはくちばしの横あたりに白色の筋が混じっていたり、翼の初列雨覆に白いラインが入っていたりするので、おそらく前の年に生まれた1年生なのではと思われます。若なので性別は不明です。
「人懐っこいシロハラ」 クリックで拡大します。
大阪府豊中市
1024×682 px
2024/03/03
Nikon D500 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
このシロハラは全く人を怖がらない鳥で、私の足元3m以内に寄ってきました。TamronA011の最小被写体距離は2.7mなため、ピントが合うまで私の方が後ろに下がらざるをえませんでした。(ちょっと圧を感じました。。)
色目が ♀ のような ♂ のようなよくわからない微妙な個体です。雰囲気的には♂っぽい感じがしますが、自信のほどは50%。。。イコール自信なしですね。
「千葉のシロハラ」 クリックで拡大します。
千葉県千葉市
1024×682 px
2015/03/21
Nikon D7100 Mode A
Tamron A011 150-600mm / F5.6-6.3
千葉の公園で撮ったシロハラです。当時はまだ福山に住んでいた頃で、「千葉のシロハラは人を見てもピーピー騒がず、フレンドリーだなぁ」と感心したことを思い出します。ちなみにこの日同じ公園でアカハラを初めて記録しました。「関東に来たらシロハラもアカハラも公園でばっちり簡単にみられるんだ!」と感動したのですが、その後アカハラはそう簡単には見られない、とわかって、結局この日がビギナーズラックだったことがわかりました。
こちらの個体も雌雄がはっきりしません。♂ っぽいとは思いますが色目が薄くて微妙な気もします。自信のほどは55%くらいでしょうか。
観察データ
場所と回数:鹿児島 1、広島14、岡山 1、鳥取 1、大阪 3、山梨県 1、神奈川県 5、東京都 1、千葉県 1、計28回。基本的に低山にいる鳥です。不思議と1,000mを超えるような亜高山では記録がありません。観察の中では山裾の小道を歩いていて、すぐ隣の藪から急に声を上げて飛び立つパターンが多いです。一方各地の都市公園にも多く、こちらは人と鳥とがお互いお見合いできる距離で観察できます。同じ鳥なのに場所によって人に対する慣れが極端に違うのが面白いですね。
シロハラを探すなら、山でも公園でも枯葉が積もった場所に注目です。枯葉に隠れた虫をエサにしているので、枯葉をくちばしで払うのですが、バサバサと音が聞こえるくらいに派手に散らかしてくれるため、目で見るよりも音で気づくことも多いです。
観察月と回数:
1月6 〇〇〇〇〇〇
2月13 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
3月5 〇〇〇〇〇
4月0
5月0
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月1 〇
12月3 〇〇〇
系28回
冬鳥です。私の観察記録は11月21日から3月29日までです。寒さが厳しい時ほど見かける率が高い印象があります。
(トップ画像 シロハラ 2024/03/03 D500 150-600mm/F5.6-6.3 豊中市にて撮影)
初出:2015/01/07
初出:2015/03/25 アップ画像の差し替え、文章校正
改訂:2021/08/05 ヒタキ科へのリンクを追加。観察データの追加
改訂:2022/02/21 静止画を1枚追加。観察データの更新
全面改訂:2024/06/23