クロツグミ 黒鶫
Kurotsugumi
Turdus cardis
Japanese Thrush

クロツグミ スズメ目ヒタキ科
黒い姿をした夏のツグミ
 神出鬼没の森の忍者




クロツグミについて

 クロツグミは中々出会えない夏のツグミです。街中ではまず見られず、夏でも涼しいような山中の森で出会える鳥です。人の気配に敏感な鳥なため、姿を見ることは稀な一方で、山を歩いているときにその声量のある美しいさえずりを耳にすることはよくあります。
 私は主に富士山の周囲にある水場で観察しています。とはいえ毎回見られるような鳥でもなく、またやっと現れたと思っても、他の小鳥のように水場でじっとしてくれることは稀です。そもそも有名な水場は鳥見のギャラリーがカメラを向けて並んでいるケースが多いため、鳥も落ち着かずに、現れても一瞬で消えてしまいます。水を飲みに出てきたとたん、シャッター音がシャワーのように降り注ぐので鳥も驚くのでしょうね。じっくり見るにはやはり人のいない出現場所を探すしかなさそうです。




「クロツグミ ♂」 クリックで拡大します。

クロツグミ ♂

静岡県
1024x682 px
2023/07/29
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 珍しくクロツグミの出現を独り占めできたときの絵です。やはり少し距離を置くのがよいですね。
 



「クロツグミ ♀」 クリックで拡大します。

クロツグミ ♀

山梨県
1024x682 px
2021/05/04
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 めずらしく背景が抜けた絵が撮れました。♀は地味ですがよく見るときれいな姿をしています。ちなみに背中はグレーっぽい薄茶色でますます目立ちません。



「クロツグミ ♂ 図鑑的に」 クリックで拡大します。

クロツグミ ♂ 図鑑的に

山梨県
1024x682 px
2025/07/05
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 山梨の水場で小鳥を待っていたら、周囲からクロツグミの声が聞こえてきました。何度かクロツグミが水場の周囲を通りますが、用心深くて水場には出てきてくれません。あきらめて帰りかけたとき、一羽の ♂ くんが水場から少し離れた見通しの利くところへ降りてきてくれました。わずか数秒の時間でしたが、こちらがレンズを向けるまで図鑑的な姿勢でしっかり止まっていてくれました。鳥さんのサービスに感謝。



「クロツグミ ♂ の飛翔」 クリックで拡大します。

クロツグミ ♂ の飛翔

静岡県
1024x682 px
2023/07/29
Nikon Z6II Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3

 少し遠いですが、飛んでいるところを写すことができました。暗いところにいるので、飛んでも目立ちません。私は「森の忍者黒影さん」と呼んでいます。




観察データ

場所と回数:静岡2、山梨3、計5回。福山時代は見ることがなかった鳥です。
 関東に来てから夏でも涼しいような避暑地にいくと、森の中から美しいさえずりが聞こえてくるので、「ここにクロツグミがいるんだ」と分かるまでは結構早いです。ただそのあと実際に姿を見るのはとても難しい。
 私の場合は結局、水場などに行ってじっと待つしかありませんでした。先にも書いた通り、人がいない水場で陰に隠れて待つのがよいと思います。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月1 〇
6月0
7月2 〇〇
8月2 〇〇
9月0
10月0
11月0
12月0
計4回

  夏鳥です。私は5/4~8/11の間で見ています。





 (トップ画像 クロツグミ 2020/08/08 D500 500mm/F4.0 山梨県にて撮影)

 初出:2023/11/27
 改訂:2025/07/16 ♂ の絵を一枚追加