コルリ 小瑠璃
Koruri
Luscinia cyane
Siberian blue robin

コルリ スズメ目ヒタキ科
 夏の亜高山にやってくる
 喉が白い瑠璃色の小鳥

   



コルリについて
   
 コルリは名前の通り青い小鳥です。日本では夏鳥で、1,000m以上の亜高山に飛来し、春から初夏にコマドリによく似た美しいさえずりを聞かせてくれます。
 背中の色目はオオルリとよく似ています。違いは喉の色で、オオルリは黒っぽく、コルリは白いので、正面から見られればすぐに分かります。またオオルリは川の近くでわりと木の天辺や枯れ枝の先のように目立つ場所で鳴くのに対し、コルリはやぶの中で鳴くので探すのがとても難しい鳥だと感じます。




「コルリ ♂」 クリックで拡大します。

コルリ ♂

山梨県
1024×682 px
2019/04/29
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 コルリは笹の下藪が生えたような亜高山の森で繁殖するそうです。暗いシチュエーションが多いので、撮るのが難しい小鳥でもあります。一方で暗いところにも良いことがありまして、コルリをはじめとした青い鳥は羽根色が構造色なため、明るい陽の下では色が飛んでしまうか黒く映るかしてしまいがちですが、コルリはそういう明るい場所にはいないので、割と青色がきれいに撮れる場合が多いと感じます。
 



「コルリ ♀」 クリックで拡大します。

コルリ ♀

静岡県
1024×682 px
2024/07/19
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 水場で鳥を待っていたら茶色い小鳥が飛んできてくれました。またキビタキ ♀ かと思って撮ったら、羽根色がのっぺりした感じでキビタキとはちょっと違います。オオルリとは喉の色が違います。
 当日狙って待っていた青い ♂ は出ませんでしたが、コルリの ♀ との出会いはこれが初めてだったのでとても嬉しく感じました。


「コルリ 若」 クリックで拡大します。

コルリ 若

山梨県
1024×682 px
2024/07/20
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 一つ上の観察場所とはまた違う水場で夏の小鳥を撮っていたら、二日連続でコルリ ♀ と出会うことができました。と思っていましたが、撮った絵を家でよく見直すと、羽根縁に白いラインが見えるのでこれは若なのかもしれません。コルリはあまり出会いの数がないので全く持って自信がありません。
 当日は同じ場所にキビタキ ♀ や幼鳥、オオルリ ♀ もやってきて、中々判別が難しかったのですが、後から撮った絵を見ていると、文献にあるとおりコルリは姿勢が前かがみで低いのが特徴だとわかりました。
 オオルリやキビタキはもっと姿勢が立った感じですね。





観察データ

場所と回数:山梨2、静岡2、計4回。夏に渡って来てからは標高が高めの涼しい落葉樹の山にいついて繁殖し、秋には南国へ戻ります。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月1 〇
5月1 〇
6月0
7月2 〇〇
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
計4回

  夏鳥です。私は4/29~7/20の間で見ています。鳴き声を楽しむならば4月の内、他の夏鳥より早めに観察にいくががよいと思います。ただこの時期の亜高山は、場所によって残雪があったりするので出かける前によく確認して行きましょう。なお私は梅雨どきに入ってから以降、コルリのさえずりを聞いた経験がありません。





 (トップ画像 コルリ 2019/05/18 D500 500mm/F4.0 山梨県)

 初出:2025/01/21