Sakanaya's Graphic Works 横浜市、福山市の野鳥、自然を写す
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
Japanese Wild Birds in Yokohama,Fukuyama
アカコッコ 赤鶫
Akakokko
Turdus celaenops
Izu thrush
アカコッコ スズメ目ヒタキ科 絶滅危惧IB類 天然記念物
伊豆諸島三宅島のアイドル鳥
島の赤い鶫
伊豆諸島三宅島のアイドル鳥
島の赤い鶫
アカコッコと三宅島での探鳥事情について
関東に住み始めて憧れの離島探鳥が計画できるようになりました。最終的な夢の先の島は小笠原諸島ではありますが、最低6日の旅程 + 復路便が欠航した場合の余裕分も見ておかないといけないため、しがないサラリーマンにとっては敷居が高い旅先となります。一攫千金でも当てるか、リタイアしてからの楽しみにするかでもしないと、旅立ちへの一歩を踏み出すのがなかなか難しい島です。そこでもう少し難易度を下げて、近場の三宅島が次のターゲットとなります。ここなら東京港を金曜の夜に出発して、島で一泊して観光も楽しんだ上で、日曜の夜には戻ってくることができます。旅程的にも、3日後くらいまでなら事前に天候の予測も立ちますので、仕事を抱える人間が出かけるにしても安心です。こうして一番鳥がにぎやかだという5月に旅程を組み、ついに三宅島を訪れることができました。
離島には本土ではまず見られない珍しい種や亜種が多数います。その中でも「三宅島の鳥といえばアカコッコ!」というくらい有名で、島のアイドル的ポジションにいるのがここで紹介するツグミの仲間、アカコッコです。
アカコッコについては、図鑑などの文献で、「日本では三宅島をはじめとした伊豆諸島と屋久島でのみ見られる」とあります。しかしながら、屋久島ではもう何年も確認がされていないそうで、種の保全状況もかなりギリギリな感じです。実際のところ、三宅島でもイタチの移入や島の火山噴火などでかなり数が減ってきているのだとか。ちなみにアカコッコは天然記念物指定されている絶滅危惧IB(EN)種です。
アカコッコの見た目は本土にいるアカハラを全体的に色濃くした感じ。特に頭回りの黒色が、胸まで届いてはっきりしています。人に対するフレンドリーさはツグミと同じくらいでしょうか。すごく近しいわけではないですが、すごく用心深い風でもありません。どちらかというと人にはフレンドリーな部類に入る鳥だと思います。見つけたときに鳥を驚かさないようにある程度の距離を保ってじっとしていれば、比較的ゆっくりと観察させてもらえる鳥だと思います。
アカコッコは森を好むと聞いて、私もそのような場所で観察し、撮影もしました。一方、そこから島の反対側にある草原でも姿を見かけたので、割と全島に散らばっているような感じも受けました。
島の南部にはその名も「アカコッコ館」という野鳥センターがあって、レンジャーも常駐されているそうですから、これから島を訪れてみようという方はまずはそこに行って様子を聞いてみられるのがよいかもしれません。(私は開館時間前の早朝にそのあたりを訪れたため、アカコッコ館には入れていません。残念。)
「アカコッコ」 クリックで拡大します。
東京都三宅島
1024×682 px
2021/05/15
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
遊歩道のベンチに座って休憩していたら、アカコッコが目の前に気に飛んできてくれました。しかし近すぎて慌ててしまい、写真は数カットしか撮れませんでした。こういうときゴーヨンはハンドリングが劣りますね。
「地面のアカコッコ」 クリックで拡大します。
東京都三宅島
1024×682 px
2021/05/15
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
アカコッコはツグミの仲間ですから地面にも降りてきます。この個体は隠れる場所がなかろうが、人の目があろうが、あまり気にしないようでした。フレンドリーな鳥は大変ありがたいですが、できれば砂地の地面ではなく落ち葉あたりの場所でポーズを取ってほしかったですね。。(贅沢言うなと突っ込まれそうです)
この絵は木陰なのでおなかの赤色が茶色にしか見えません。実際も赤というよりは明るい茶色くらいな感じです。同属のアカハラもそんな感じですね。
観察データ
場所と回数:東京都 2 計2回。伊豆諸島で見られます。屋久島では何年も記録がなくなっているらしいですし、日本固有種であるため、伊豆諸島以外の他に観察地はなさそうです。
島内の森を中心として棲みついているそうですが、海岸べりの草地でも姿をみかけました。
観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月0
5月2 〇〇
6月0
7月0
8月0
9月0
10月0
11月0
12月0
計2回
島では留鳥です。ただ伊豆諸島の中でも季節間の移動があったりするそうなので、どの島でも年中みられるというわけではなさそうです。
(トップ画像 アカコッコのワッペン 2021/05/15 スキャナーから取得 三宅島の土産店で購入)
初出:2021/07/06