キビタキ 黄鶲
Kibitaki
Ficedula narcissina
Narcissus Flycatcher

キビタキ スズメ目ヒタキ科キビタキ属
 夏の黄色い小鳥

   

キビタキについて
   
 キビタキは繁殖のために初夏に日本にやってくるヒタキ科の小鳥です。典型的な山の鳥で、低山でも亜高山でも森林さえあれば普通に見られます。北海道でも見られるので、山にさえ入ればかなり広範囲に見られる小鳥だと思います。
 日本ではウグイス・オオルリ・コマドリが三鳴鳥と言われ、いずれも初夏に美しいさえずりを聞かせてくれますが、このキビタキも前出の3種に負けず劣らずの美しいさえずりを聞かせてくれる鳥です。また名前の通り、鮮やかな黄色がとても目立って姿も大変美しいことから、バーダーからの人気も絶大な小鳥です。




「福山のキビタキ ♂」 クリックで拡大します。

福山のキビタキ ♂

広島県福山市
1024×682 px
2013/05/26
Nikon V1 Mode A
Nion AiAF ED 300mm/F4s

 福山時代にホームグラウンドの山で撮った初夏のキビタキ ♂ 。木陰でじっとしていたとき、目の前に現れて過去になく近距離で観察できました。ただピントもばっちりなわりには羽根などがあまり解像していないことに気づき、V1とオールドサンヨンの描写力の限界を知った一枚でもあります。とはいえ、これだけドンピシャで観察できたのは未だこのときだけですから、とても思い入れのある一枚です。
 



「長野のキビタキ ♂」 クリックで拡大します。

長野のキビタキ ♂

長野県長野市
1024×682 px
2018/05/26
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 長野の高原で見つけたキビタキです。この ♂ くんはよく鳴いていました。キビタキは背中から見たとき腰の黄色がとても目立ちます。



「北海道のキビタキ ♂」 クリックで拡大します。

北海道のキビタキ ♂

北海道苫小牧市
1024×682 px
2024/07/01
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +
AF-S TC-14E III TC14E3

 北海道のキビタキ ♂。低地の林の中で撮りました。子育て中だったからなのか、周囲からキビタキのさえずりは聞こえていない中で、いきなり彼が目の前に現れてくれたのでこちらの方がびっくりしたのを覚えています。



「水場のキビタキ ♂」 クリックで拡大します。

水場のキビタキ ♂

山梨県南都留郡
1024×682 px
2020/06/20
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 富士山周辺にある水場で撮ったキビタキ ♂ です。残念ながら観察者のマナーの問題があって、この場所は最近になって立ち入り禁止になったと聞きました。野鳥観察の紹介本にも載っていた昔から有名な場所だっただけに残念です。



「キビタキ ♀」 クリックで拡大します。

キビタキ ♀

山梨県甲州市
1024×682 px
2018/04/22
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 まだ早い時期なので繁殖はこれからでしょうか。



「キビタキ 若鳥」 クリックで拡大します。

キビタキ 若鳥

山梨県南都留郡
1024×682 px
2020/06/20
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 若鳥は背中の雨覆の白班や胸のあたりに薄いうろこ模様が見えるあたりが特徴です。単に模様だと思いますが、♀ 成鳥は全体的に滑らかな羽根色で、若鳥は毛羽立ったようなイメージです。あと若鳥は ♂ ♀ の区別が難しいですね。



「キビタキ幼鳥の水浴び1,2」 クリックで拡大します。

キビタキ幼鳥の水浴び1


キビタキ幼鳥の水浴び2

山梨県南都留郡
1024×682 px
2017/07/31
Nikon D500 Mode A
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

 巣立って間もない幼鳥だろうと思います。





観察データ

場所と回数:広島県20、長野県2、山梨県1、新潟県1、富士山周辺12、神奈川県1、青森県1、北海道2、計40回。低山から亜高山まで。虫が湧くような鬱蒼とした林の中で見かけます。初夏はとてもよく響く美声を聞かせてくれるので、さえずりから探して歩くのが良いかと思います。

観察月と回数:
1月0
2月0
3月0
4月3  〇〇〇
5月16 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
6月4  〇〇〇〇
7月6  〇〇〇〇〇〇
8月7  〇〇〇〇〇
9月4  〇〇〇〇
10月2  〇〇
11月0
12月0
計40
夏鳥です。5月頃はとてもよく鳴くので、その分見つける回数も多い印象です。夏鳥はお盆を過ぎる頃にはもう見かけなくなって南に帰っていく種も多いですが、キビタキは割と秋になっても見かけることが多く、私の観察記録で一番遅いものとしては10月28日のものがあります。(富士山周辺でした)




 富士山周辺の公園を歩いていたとき「ツクツクボーシ!」と鳴きながら目の前を飛んでいくキビタキにすれ違ったことがあります。姿より先に声が聞こえたので、「時期の早いツクツクボウシがいるもんだ」と思ったら、黄色いセミ・・いえ鳥でした。噂には聞いていたものの、あの体験は本当にびっくりしたなぁ。


 (トップ画像 キビタキ 2014/05/26 Nikon V1 300mm F4 福山市)

 初出:2014/09/10
 改訂:2015/06/14 動画と静止画の差し替え
 改訂:2016/07/09 幼鳥の画像を追加
 改訂:2018/05/20 トップ画像、幼鳥の画像を差し替え
 改訂:2018/06/03 トップ画像、♂画像変更、動画にさえずりを追加
 改訂:2019/05/19 ♀画像変更
 改訂:2019/07/05 トップ画像変更
 改訂:2021/08/04 ヒタキ科へのリンクを追加。観察データの追加
 改訂:2025/02/16 全面改訂